てすかとりぽか

最近はポケモンのことを書く場所です。

『機動戦士 Zガンダム -星を継ぐもの-』

機動戦士 Zガンダム -星を継ぐもの-』日映画

2005年。富野由悠季監督。
DVDで観ました。前に映画館でも観たので、改めて感想は割愛。
ひとえにこんな映画が出来るのも『ガンダムSEED』の儲けがあるが故。
そういった意味では、SEEDのこと軽々しく評価できないなあと。
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話は変わりますが、オンラインゲームの最近の事情について。

先日、『ラグナロクオンライン』のガンホー・オンライン・エンターテイメントが、総合オンラインエンターテインメントポータル『ガンホー・モード』を立ち上げるとの発表がありました。

これまで、オンラインゲームのポータルサイトといえば『PlayOnline』のようなゲームのみを対象にしたものばかりでした。しかし、今になって『ガンホー・モード』のような、ゲーム以外のコンテンツ(映像・音楽・アバターコミュニティ・SNS)も取り扱う「総合エンターテインメントポータル」が増え始めたのには、これから述べるようないくつかの理由があります。

1.MMORPGがもう限界ってこと。

オンラインゲームポータルの中で、これまでキラーコンテンツとして君臨してきたのは、『ラグナロクオンライン』や『ファイナルファンタジーXI』等の大人数参加型のオンラインRPG、つまり月額課金制のMMORPGでした。

そのMMORPGが、ビジネスモデルとして成立し得ない・成立させるのが極めて困難であるということが、結構前から一部メディアまたはネット掲示板等で、一般論として語られるようになってきています。

このMMORPGがビジネスモデルとして成り立たないという理由の第一に、月額1500円前後という「格安すぎる」料金設定があります。

本来、MMORPGをプレイするようなコアなゲームヲタ層は、コンシューマーのゲームソフトを月に数本、つまり数千円〜数万円分買うような、ゲーム業界にとってメインの購買層でした。しかし、MMORPGは彼らを月に1500年円前後という格安な料金で、かつコンシューマーゲームに比べて長時間にわたって拘束することにより、業界全体のパイを小さくしてしまったのです。

MMORPGやる連中は、コンシューマーゲームやる時間ないですからね。

そして、その格安な月額課金収益で、コンシューマーゲーム以上に長期的にユーザーを満足させるというのが、まず無理なお話。

MMORPGの運営維持には、一定のサーバーおよび運営要員の維持コストが半永続的にかかります。このため常時一定数のユーザーの獲得および月額課金収益を得られないタイトルは、半永続的に赤字状態での運営を余儀なくされてしまいます。

そんな赤字経営の状態で、コンシューマーゲーム以上に長期にプレイを続けさせるようなゲームの新規開発継続・バージョンアップを行うことが無理なのはわかりますね。

それでも一時期、投資家が「MMORPGの将来性!」とやらの口車に乗せられ、大規模な投資を行っていた時期もありましたが、その時期も流行りももう終わってしまいました。

ゲームの新規開発が継続されないことから、ユーザーは満足せず運営に苦言を呈します。でも運営はそのユーザーを満足させるための開発費用が得られない、まともなバージョンアップもできない、サポートすらも満足に行えない、結果さらにユーザーは満足しないといった悪循環を繰り返すことになります。

ゲーム業界的にもマイナス、ビジネスモデルとしても破綻している、
故にMMORPGがもう限界ギリギリってことなんですね。

個人的には『ときめきメモリアルOnline』が失敗したらもう最後。
以降、新規国内産MMORPGの開発は難しいんじゃ?と考えています。

2.MMORPG以外のコンテンツがなんかすごい。

先日上場したゲームポットの『スカッとゴルフ パンヤ』のような非月額課金型(アイテム課金型)オンラインゲーム、ハンゲームのようなアバタービジネス、ミクシィのようなソーシャルネットワーキングサイト(SNS)など、急成長をとげている分野があります。

「総合エンターテインメントポータル」の出現が示すのは、まさにこれら成長分野へ開拓を狙ったものですね。

ただ実のところ、現在MMORPGでそこそこの会員数を得ているガンホーのような会社が、現会員の囲い込みに入っただけなんじゃないかとも思います。

今後、新規MMORPGタイトルを運営開始したとしても、新規会員を獲得するのは困難。ならいっそ、今いる会員から「絞れるだけ絞りとろう」というのが、本当の目的なんだとは思います。

MMORPG以外のコンテンツなら、維持コストとかすごい安い上、収益性も高い、さらにコミュニティさえ成立しちゃえば、新規開発の必要性もないとまさにいいこと尽くめ。

そして、維持コストが高くて収益性の低いMMORPGなんてのは、近いうちにその多くがサービス終了となるか、こうした『総合オンラインゲームポータル』の「会員維持システムの一機能」として細々と続いていくしかなくなっていくとは思います。

しばらくは今後『パンヤ』のようなカジュアルかつ「アイテム課金(ゲーム内アイテムを運営会社がリアルマネーで販売する課金方式)」による収益性の高いゲームが主流となるでしょう。

正直、アイテム課金は「会社がやるRMT(リアルマネートレード)」です。
これまでのMMORPGタイトルが掲げてきた理念から見ればRMTは「ゲーム内のバランスを破壊する悪質な行為」にあたり、利用規約上でも禁止されている行為となりますね。

でも、悪とされていた筈のRMTを運営側が率先して行ったタイトルが、ここにきて大成功を収めてしまったのです。

悪であるはずのアイテム課金が、正義である筈のMMORPGの月額課金より、収益性がはるかに高いということが証明されちゃった。同時に、アイテム課金へのユーザーのニーズが高いってこともわかっちゃった。これで今後は、MMORPGを運営する各社が掲げる「RMTは悪・RMTは禁止」っていう理念にも揺らぎが発生してくることでしょう。

MMORPGは、これまで「こうあるべきだ」っていう運営側の理想論だけでここまで来ちゃったんですね。収益性とかもアバウトにしか考えず、しかもユーザーの意志そっちのけで、自らの成功を疑うことなく。

それで今どの運営会社も、このまま理想論だけでつっぱしるのか、それとも世の中のニーズに合わせて変革していくか、そういう転換期に差し掛かってると思います。

でも、正直アイテム課金て、
明日からぱったり売れなくなるっていう不安もあるのよねえ。