てすかとりぽか

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『パプリカ』

パプリカ

2006年。筒井康隆原作。今敏監督のアニメ映画。
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池袋テアトルダイヤにて鑑賞。乙女ロード帰りの腐女子のみなさんと外人さんと、おじいちゃんがたくさん入ってました。なぜおじいちゃんが。

アニメ映画のお客で思い出すのは、『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Airまごころを、君に』を下館の映画館に観にいったときの話。田舎の劇場なので客は自分含め数人だけ。

冒頭数分後、おじいちゃんとその孫らしき5歳ぐらいの女の子が入ってくる。おじいちゃんは女の子を最前列どまんなかに座らせ「おとなしく見てるんだよ」と言い残しひとり退館。

おじいちゃんは子供向けアニメだと思ったんでしょうけど。その後、量産型エヴァンゲリオンによる弐号機虐殺シーンやら、巨大綾波シーンやらが続きます。でも女の子は言われたとおりおとなしく見ていたのでえらいなあと思った。これを心傷として立派な腐女子になる。

でこの映画の原作は未読なのですが、おそらく結構なボリウムを短く簡単に無理なくわかりやすくまとめた感じの映画。そういう点ではよくできてると思いますが、期待していたほどの「病的さ」はなく「おとなしい」作品に仕上がっております。

他人の「夢」「深層心理」に浸入するという過去やられつくしたネタを"あえて今"やるのであれば、もうちょっと物語を掘り下げて描くか、映像面ではっちゃけるしかなかったと思う。いずれも「エンタメ化」という線になぞられて中途半端な感じ。

今監督の『パーフェクトブルー』を劇場で観た時もやっぱり同じことを感じた。既に飽食感のある内容をあえてアニメ化する必要性。アニメ化が映像表現の手段ではなく目的となっている根本的な問題。

あと一瞬でも「『電車男』みたいだな」って思わせる演出が、個人的に終了。

正直、アニメの作画とか音楽に興味のない人間には用のない映画。
実際となりの人も前の席の人もみんな爆睡してていびきが五月蝿い。