てすかとりぽか

最近はポケモンのことを書く場所です。

『1408号室』

今日もモンハンのオンラインのやつでベルキュロス狩ってたら、また北の方からなんか飛んで来て、その途端にメンバーが3死してクエスト失敗したので想像を絶する深い悲しみに襲われた。ひとが狩りしてる時に撃ってくるとか汚いなさすが北朝鮮きたない。あまり調子に乗ってると裏世界でひっそり幕を閉じることになる。

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1408号室

2007年のアメリカ映画。スティーヴン・キング原作のミカエル・ハフストローム監督作品。

心霊現象なんかをはじめとしたオカルトの類を一切信じない主人公の作家マイクは、そのくせオカルトスポットとして有名な各地のホテルに泊まってはルポを書くのがお仕事。そんな彼に、「某ホテルの1408号室には絶対に入ってはならない」という内容の手紙が届きます。勿論彼はその部屋に泊まりにいくのですが…。

久々に手に汗にぎる良ホラーでした。劇場で観ておけばよかりた。

かくいう自分も心霊現象の類は一切信じてないにも関わらず、そういう話とか伝承なんかを見たり聞いたり調べたり書いたりするのは大好きな性質なので、この主人公にはがっちり感情移入することができました。実際にもうかなり酷い目に遭って、なお人為的な施策や自分の脳のしわざだとか考えちゃうあたりとか。

その部屋に訪れる厄災の数々が、霊のしわざなのか、それとも人為的なものなのか、主人公の脳内の問題なのか、結局のところ明かされないままなんですけど。(つまりオチはないんですけど…。)あえてそのオチを明らかにしないところがこの作品の怖さの由縁なんだと思います。

『ほんとにあった!呪いのビデオ』と基本的に同じシステムの恐怖なんですね。
現象を並べていながら、それが何の所以だとか名言しない。
「○○のせいだとも、いうのだろうか?」と。

マンションとかの「事故物件」なんかも、同じ論理に基づく「怖さ」が由縁の「事故」だったりします。

不動産取引での「事故物件」、いわゆる「精神的瑕疵物件(心理的瑕疵物件)」は、よく「霊が出る物件」とか「呪われた物件」のような形而上の概念で説明されることが多いと思われがちですが、実際のところは下記のような「リアルな事件物件」を意味するものです。

・自殺、殺人等の事件沙汰
・火災、水災等
・近隣の指定暴力団の事務所等
・神社、社、お墓、地蔵などの宗教系跡地
・井戸
・その他嫌悪施設(ゴミ焼却場、葬儀場、宗教団体等)

要するに、霊とか出るとか呪われてるとか関係なくて、そうした現象の発生を連想しうる事実(例えば「自殺者がいた」⇒「その霊が出る」みたいな)のみをもって「事故」とか「精神的瑕疵」という評価を与えているに過ぎないわけです。自殺と霊の間には何の裏づけも因果関係はないはずなのにね。

ただ、瑕疵担保責任については、民法570条と宅地建物取引業法40条(宅建業法41条)で制定されていますが、「事故物件」に関する法定範囲に具体性はなく、受ける側の価値観や宗教観によって変わる部分なんだそうです。(取引業者側には告知義務があるので、一般的には物件評価に影響は出ますけど。)

要するに、霊とか呪いを信じてるかどうかっていう、借り手側の意識の問題が大きいわけです。

そういうわけで、ここ最近は都内の「事故物件」って、抽選会が開かれるほど人気なんだとか。ちょうど先日友達が雑司が谷でえらいいい物件を見つけたと思ったらそういう物件で。なんでも半年前に一度に5人も練炭自殺した部屋なんだとか。そういう物件が特に外国人中心に人気なんだと不動産屋さんも言ってたそうな。

霊魂って概念がない宗派の人にとっては、全然関係ない話だもんね。

でも、それって最近「傷もの、規格外、訳アリ商品」の通販とか、「スーパーのおつとめ品」が人気なのとも同じですよね。へたすると、別になんでもない部屋なのに「前に済んでた人が自殺したから格安なんですよ!」って嘘ついて、お得な感じを演出する業者とか出てきそうな気がするんだけど。

で、そういう嘘の刷り込みから、本当に霊が出たみたいなことにもなりかねない…。

以前、某埋立地に新設されたテーマパークでバイトしてた時、「倉庫で知らない女性の姿をみた」って冗談で言ったことがあるんですが。その後、「その倉庫で女の幽霊をみた!」っていう目撃談がすごく多くなって…。自分、ひとことも「霊」なんて言ってないのに…。

てゆか、結局その後も「冗談でした」とは言えませんでしたけど…。

そんな風によくわからない現象に対して、霊とか妖怪のしわざだっていうオカルト的な説明づけをするのって、昔から人間が「不安をとりのぞくために」やってきたことなんですけど。この映画は、あえて現象の要因を語らずに想像の余地を残すことで、原始的な人間の不安感と恐怖を煽るようにできてるんですね。

「これは、"ざしきわらし"のしわざだ!」って名言されちゃったら、最高に怖くないだろうに。

今日の北の国からのアレだって、結局何だかわからないからアレなんです。