泥船てすかとりぽか

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『だから山谷はやめられねぇ』

だから山谷はやめられねぇ -「僕」が日雇い労働者だった180日

塚田努著。何不自由なく人生を歩んできた大学院生が、ひょんなことから東京のドヤ街である山谷で暮らし始め、そこでの生活の悲惨さを面白可笑しくつづった本。山谷に暮らしたり飯場で働く人の仕事内容や私生活の実際のところがわかりやすく書かれているのはとても興味深いところです。

ただ、親の仕送りで大学院まで行ってて都内のアパートに住んでて部屋に32インチの大型テレビがある人間が、いくら山谷に寝泊りして飯場の仕事をしたところで、所詮縮緬問屋に身を忍ぶ黄門様と同じなので、ものすごい上から目線のルポになっているのはいたしかたないです。

世の中から逃げてきたしがない無職無宿青年を装って飯場に忍び込んだ著者が、そんな彼に対し親身になってくれる50,60代のおじさんを観察しては「この人はこの後どんな悲惨な人生を送るんだろうか…」とか天から地を見下ろすが如く哀れんでるのは、正直人道的にどうなんだろうと思います。

でも、そんな自身の尊厳を犠牲にしてまでこういう本を世に出してくれたことには感謝したいです。

そして、こないだ読んだ本で知った「マグロ漁船」が意外とまともな職場であったのに対して、本書に書かれている飯場(山間奥地の土木工事などを行なう際に集団で労働者が泊り込む施設。タコ部屋などとも言う。)って本当に『カイジ』に出てくる「地下ペリカ王国」と変わらないぐらい酷い世界のようです。

いや、焼き鳥とビールがあるだけ、カイジの方がマシかも。

そんな世界で働いている人たちにも、「山谷に住んで働きもせず昼間から酒飲んでる奴らよりはマシ」っていうプライドがあったりして。ああ、人間って結局みんな自分より下の人間を見てそれを励みにして生きてるんだなあと実感。この著者もそれを読んでる自分も含めてみんなそうなんだねと。

そう考えると、家に引篭もってるオンラインゲーム廃人の無職ニートとかって世界の最底辺なんじゃね?とか思うんだけど。そういう人たちは人たちで「中華ざまぁwwww」とか「北朝鮮とかソマリアよりはマシだ!」とか、よりグローバルに下を見てたりするのですごいと思いました。

あと、「働いたら負けだと思っている」は最強の勝ち台詞だと思いました。

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あと、ネ実でこんな『ファイナルファンタジーXI』のチャットのやりとり画像を発見しました。

chat_20090613161413.jpg


要約すると、HNMっていう超レアな出現率のモンスター(一回倒すとリアル3日たたないと再出現しないとか。)を巡る争いで。その狩猟をかけたライバル二人による後日の会話。A氏は「あのモンスターはうちが管理してるから手を出すな!」と主張、一方は「誰のものでもないモンスターを管理とか頭おかしいだろ?」とB氏。

次にそのモンスターが出現する時間は、前回そのモンスターを倒した者(もしくは、それを傍から見ていた者)だけが知る情報となるので、その情報を独占することで狩猟の独占と管理が同時に出来てしまうというのがこのゲームにおける仕様なんですけれども。その是非に関しては常に論争の的になってきていたものです。

個人的には、ゲームのルールがそうなっている以上、別に利用規約で禁止されてることでもない以上、管理も独占も勝手にすればいんじゃね?それを横から狙って掠め取るのもまたいんじゃね?とは思いますけれども。ゲームが既に生活や人生や仕事に昇華してしまっている彼らにはそんな論理は通用しません。

そこで生まれるのが「談合」です。

冗談みたいな話ですが、たかがゲームに関していい大人が「談合」するんです。モンスターの独占と一括管理を許す代わりに、ライバルにはそのドロップアイテムの一部を渡すとか。管理したモンスターを順番や交代で狩猟するようにするとか。狩猟する権利をその管理者からリアルマネーで買うとか。

こうして自由競争を避けることで「負けるかもしれないというリスクとストレス」を緩和できるわけです。

というのがA氏の主張。それに対してB氏は「ゲームで管理とかおかしいだろう?」と、あくまでゲームプレイヤーとして当然の権利である自由競争を主張しているわけですけれども。こうした対人対戦も含めたゲームを楽しんでる人が、いきなり「談合」なんて持ちかけられたら、「こいつ電波…」と思うのは無理もありません。

でも、こういうオンラインゲームに関する痛々しい話が、『ファイナルファンタジーXIV』の発表後から急激にリアル世界で注目されつつあるのは興味深い限りです。そういう話がいちいちニュースサイトでとりあげられたり、書籍にまとめられたりしてるので。好くも悪くも楽しいからいい。

"「私が眠ると、みんな死んじゃう」 “ネトゲ廃人”その悲惨な実態"

「私が眠ると、みんな死んじゃう」。特に廃人といわずとも、オンラインゲームで1度でもタンク(盾役)やヒーラー(回復役)をやったことがある人には共感できる名台詞だと思います。こういうカフェイン中毒になりながらがんばる人がいるおかげで、我々アタッカーが安心して「俺TUEEEEEEEEEE!」できるんです。

海外の人とパーティ組むと、このへんドライだから楽なんだけどね。
彼ら「ちょっと海行って泳いでくるわ」とか言い残して即落ちたりするしね。