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泥船てすかとりぽか

FC2ガ沈ムマエニ逃ゲダシマシタ。

『CEDEC 2009』 3日目

CEDEC 2009

ようやく行ってこられました3日目。パシフィコ横浜に来るのは、ちょうど10年前にいた声優ユニット「ヴァイス」のライブ以来ですね。とか、思わずそんな黒歴史を発掘しつつ。色々ためになるお話やら、ためにならないお話やら、ためにならないけど面白い話やら、ためにならない上に面白くもない話やらを拝聴してきました。

ほんっと、当たり外れが大きいわぁ。来年はもう聴きたいやつしか聴かんわぁ。

仕事の役に立って、尚かつ話が面白い人って、やっぱり準備からして違います。開発機材から何から持ち込んで、その場で製作&実演もすれば、ちゃんとしっかり笑いをとるためのギミックまでも用意してきていたりもします。なんというか、娯楽を生み出すことを仕事にしてる人って、こうでなくっちゃという感じです。

逆に役に立たない話をする人、話が面白くない人って、何も準備してきてないんですよね。富野風に言うと自己陶酔型の人間なんでしょう。俺がしゃべればそれだけで面白いと思い込んでいるような人。講演用の資料なんてパワポで数枚、ひどい場合はエクセルにテキスト書きのみとか。お前の仕様書とか読みたくないわぁ。

具体的に受けた講義名をあげるのは差し控えておきますが、ほんと色々勉強にはなりました。

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"ライトノベルの挿絵など、人気有名絵師がネット画像からトレースしまくっていた事が発覚、活動休止へ"

いろんなとこで話題に上ってて、あまりに酷い話だなぁと思って。この絵師に対して「著作権云々」というデタラメな話で追い詰めた人間がいたとしたら、それこそが本当の悪。嫉妬とかそういうレベルの理由では許されない悪。この絵師を糾弾し、創作停止させた人間が、同じく創作に携わる人間だとしたら、本当に許し難い。

まず、著作権云々について。そもそも著作権は、「表現者の個性が表れている創作物」について保護の対象とするもので、当然ながら「権利者の権利を保護するもの」です。つまり、権利者でない第三者にそれを指摘、糾弾する権利なんてありません。今回は、写真の権利者がその権利侵害を主張したわけでもないです。

また、たとえ権利者が権利侵害を主張したとしても、「トレース検証画像」に載っているティーカップや鳩の写真が「表現者の個性が表れている創作物」として判断され、著作権の発生要件が足りるとは到底思えません。ましてや、その写真の複製ではなく、トレース(模写)ですから。違法性はないと判断できます。

どうしても違法性を認めさせたいというのであれば、権利者を探して権利侵害されている旨を伝えるべきでしょう。そして、権利者より、その写真の個性や創作性や独自性を必死で主張してもらう他ありません。無関係の第三者が騒いだとして、それはもうほんと悲しいくらいに100%嫉妬以外の何モノでもないのです。

次にモラルについて。違法ではないという時点で、謝罪文中にある「社会人としてのモラルが欠如」という部分はクリアになっていますね。じゃあ、残った「創作者としてのモラル」という部分になりますけど、「写真からトレースしたら創作者としてのモラルに欠ける」なんて一体どこの誰が言い出したんでしょうか。

「いいじゃんそれくらい」とか「みんなやってることだし」とか、そういう「少し後ろ暗い」とか言ってること自体が変です。全く後ろ暗いことなんてないでしょう。トレースなんて、より写実的な表現を追及するための技術の一つでしょう。それを全部脳内で想像したものを描いたからって、より写実的になるなんことなんてありません。

映画やゲームの話ですけど、自分は「フルCG」っていう言葉が大嫌いです。要するに「全部CGで作りましたよ!」ってことなんですけど。結局、CGで描くというコストをかけた挙句、実写以下の表現になってる場合がよくあります。それなら、部分的に実写映像を交えた半端なCG映像にした方がよほどいい絵が見せられます。

にも関わらず、「実写でやれば10分で済む映像を、がんばって10時間かけて全部CGで作ったんです!」とか「僕ががんばってCGを作っているメイキング映像特典までつけました!」とかいう、いわば「努力の押し売り」をしてくる作品が本当に厭です。観る側にとっては作り手の努力とか手法なんてどうでもいいんです。

"自分達は道具によってさまざまな規制を受けているにも関わらず,その範囲の中で何かをすることを「クリエイティブだ」と思っている。結局はインタフェースに振り回されているだけであり,「これで何をするのか」「これでどうするのか」という部分に届いていないにも関わらず。"

昨日の富野監督の講演に出てきた言葉を借りると、トレース否定論なんて、まさにそんなところだと思います。ぜんぜんモラルの問題なんかじゃないです。そんなデタラメな話を論拠に、他人の創作活動を停止させるようなことが許されるような世界には絶対になってほしくありません。