てすかとりぽか

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『ガンダムMS列伝』 御大

今日、お昼に会社の近くを歩いてたら、富野由悠季御大とすれ違いました。
そいで、何か思うところがあったのか、帰りに買って帰った本がこちら。

ガンダムMS列伝

株式会社レッカ社編著。『機動戦士ガンダム』シリーズに登場する有人機動兵器「モビルスーツ(MS)」について、異様にマニアックにまとめた内容の本。ガンダム関連の本は数読みましたが、結局にわかな内容しか載ってないような本が多い中、PHP文庫のこのシリーズは正直ひくぐらい詳しい内容で正直ひく。

ミノフスキー粒子の発見で長距離誘導兵器が無効化されたことにより、有視界戦闘戦闘による白兵戦が主流となり、巨大汎用人型兵器である「MS」を用いた戦術が発展していったことは、シリーズ作品中でも語られているとおりなんですけど、本著ではもうちょっと踏み込んだ解説が加えられております。

例えば、なんで「MS」は人型なのかとか。
どう考えても手足なんかいらないんじゃないの?
とか、おそらくガンダムを見てた人なら一度は考える疑問。

その回答の一例となるのが、「アンバック(AMBAC:Active Mass Balance Auto Control = 能動的質量移動による自動姿勢制御)」という技術。要するに手足の重心を移動させることで姿勢制御を行なうことにより、バーニアやスラスターの推進剤の消費を抑えるとか、人型であることの理論的な理由づけがちゃんとあるのです。

実際、アニメの劇中でそんな小難しい解説が加えられている作品はないのですけど(小説版『ガンダムUC(ユニコーン)』ではよく出てくる単語ですけど。)、そういう劇中には登場しない細かい設定を知ることで、本編視聴中に感じた様々な矛盾や疑問を氷解させてくれるという意味では、とても良書な感じがするのです。

逆に、富野御大はアニメ作ってるときにそこまで細かい設定を考えてたのかなぁと。

実際には、アニメ放映当時に具体的なカタログスペックが決まっていたモビルスーツは「ザク」だけだったとか、元から詳細な設定はなかったみたいですけど。ムック化や模型化の段階でリアルっぽい設定が加えられたりとか、いろんな人の力が関わって詳細な設定が加えられていったそうなんだそうです。

で、後にサンライズが、「作品中で映像化された段階で公式」ってルールを決めたんだそうです。

それでも、アニメ・映画・小説・ゲーム・玩具と様々な形で世に出ているシリーズですから、もはや公式と非公式の設定なんて曖昧になってしまいそうと思われがちですが、意外とガンダムに関してはうまいこといってる感じがします。『宇宙戦艦ヤマト』みたいに、毎度沖田艦長が蘇ってパラレル世界が増えたりはしないもんね。

そういや、実写版のソレ。キムタクの古代くんとかこんな感じですね。
波動砲、エネルギー充填120パーセント!」
「ちょ、待てよwwwww」

閑話休題。今やってるゲーム『SDガンダム ジージェネレーションウォーズ』も、ガンヲタしかわからないような微妙な設定ネタが多いです。『Vガンダム』に出てくる宇宙要塞「カイラスギリー」と、『ターンAガンダム』に単語だけ出てくる「カイラスギリ」を同一視したネタとか。設定上全く別物なんですけど、同一視してくれると嬉しい。

そういえば、小説『ガンダムUC』書いてる福井晴敏氏も、小説『∀ガンダム--月に繭 地には果実』の中で、自身のデビュー作『Twelve Y. O.』に出てくる架空の兵器を出したりして、無理矢理宇宙世紀の公式設定化しようとしている野心家です。とりあえず、『ガンダムUC』はアニメが楽しみなので小説は読まないでおいてます。

というのは嘘で、アレあまりにも中二病設定すぎて途中からつまら(自主規制)。