てすかとりぽか

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『REC/レック』 スペインの

REC/レック

2007年のスペイン映画。ジャウマ・バラゲロ監督。

現在続編が公開中で、さらにハリウッドリメイク版も既に出ていて、さらに全く同名ながら全く別内容の韓国映画があるというなんともわかりづらい作品。『ブレアウィッチプロジェクト』とか『クローバーフィールド』みたいな「P.O.V(ポイント・オブ・ビュー/主観視点)」が売りのホラー作品なんだそうです。

「P.O.V」とか「フェイクドキュメンタリー」とか、いい加減呼び名を統一してほしいこのテの映画。

いずれにしても、最近はハリウッドにしろ日本にしろ、こうした主観視点ドキュメンタリータッチのホラー作品が急増してますね。過去存在したホラー映画のジャンルで、未だこの手法で撮られてないジャンルのものがあったら、とりあえず撮っとけって感じなんでしょうね。まだ、残ってるジャンルってあんのかなー。

念のため、すでに潰されたジャンルを知るために、思いつく限り作品名をあげてみます。

・『食人族』:土人、ジャングル
・『ブレアウィッチプロジェクト』:魔女、森
・『クローバーフィールド』:大怪獣、エイリアン
・『ノロイ』:呪い、心霊
・『オカルト』:UFO、日雇い派遣
・『ビハインド・ザ・マスク』:殺人鬼
・『リダクテッド』:戦争、反戦
・『エスケイプ・フロム・リビングデッド』:ゾンビ
・『ダイアリー・オブ・ザ・デッド』:ゾンビ

・『REC/レック』 :ゾンビ

ゾンビかぶりすぎ。

でも、個人的には本家ジョージ・A・ロメロ監督の『ダイアリー某』より、今作の方が10倍ぐらい怖くて面白かったと思います。『エスケイプ某』は未観なので比較できないですけど。というか、これまで観たこのテの「P.O.V」でしたっけ?その中でも今作は一番よくできてるんじゃないかなーと。

何がよくできてるかって、カメラ回してるのに不自然さがないところがよくできてます。

「P.O.V」映画の原則として、主人公かまたはそれに近い人物が"常にカメラを回していなければならいない"ということがあります。そこに、どうしても物語の展開上の不自然さが発生してしまいます。そりゃあ、ホラー映画でモンスターに襲われてるような緊急時に、冷静にカメラ回してたら不自然ですもの。

「カメラ回してる場合かよ!とっとと逃げろよ!」

ってつっこみを入れたくなり、当然不合理な行動をとる主人公には感情移入できなくなり、結果として"つまらない映画"という烙印を押されがちなんですよねこのテの作品って。『クローバーフィールド』なんて、大怪獣に喰われる直前までその顔にカメラ向けてましたかんね。それはそれで、違う意味で面白かったんだけど。

『食人族』に至っては…いや、話ながくなりそうだからよしとこう。

じゃあ、今作は何で「カメラを回す」ことが不自然じゃなかったんでしょうか。答えはすごく簡単で、劇中「カメラ回すな!」って言ってくる警官が横暴で無能でヘタレでムカつくから。そいで、観客のヘイトはそいつに乗るもんだから、めでたく「そんなやつの言うこと聞くな!カメラ回しとけっ!」って思えるのですね。

逆に「カメラ回してっ!」っていう女レポーターの方は…やっぱりウザいんですけど、かわいいから許す。

それでまぁ、観客のハートはがっちり鷲づかみにできた主人公視点さん(姿は一切出てきませんが)ですが、いやぁもう最後まで追い詰められ方がハンパねェっす。そして、その追い詰める側のゾンビ凶暴すぎ。何より、噛まれてからゾンビになるの早過ぎ!まさに、ジェットコースターゾンビ映画と言えます。

久々に、良いソンビ映画、というか本気で手汗かくようなホラー映画だったでした。
ゾンビ映画といえば、全米公開中の『Zombieland』がはやく観たいです。
ゾンビFPSの悪ノリをまんま映像化したようなセンスが素敵。