てすかとりぽか

最近はポケモンのことを書く場所です。

『シュタインズゲート』 高学歴

シュタインズゲート

2009年に発売された5pb.開発・発売によるアドベンチャーゲーム。会社の友達から借りました。

何の前情報もなくプレイしてたので、クリアするまでアドベンチャーゲームってことに気づきませんでした。選択肢とか出てこないし、てっきり『ひぐらし』みたいなノベルゲーなのかと。エンディング後にルート分岐があるってわかって、箱みたらちゃんとアドベンチャーゲームって書いてあるし…。ケータイの使い方で色々分岐すんのね…。

率直な感想は、最初はすごい微妙と思ってたのに、終盤からどんどん面白くなるタイプです。

最初何が微妙かって、もう文章がくどいのです。ライトノベルというか、キャラクター小説特有のテンポの悪さが序盤から全開なんですよね。物語の本筋に関わらなそうなどーでもいい話を延々とのたまわりはじめるキャラクターたちに辟易してしまうのです。しかも、2ch語で「キター!」とか「キタコレ!」とか連呼しながら。

舞台が秋葉原だからって、さすがにこんな喋り方とかないわ。聞いてるこっちが恥ずかしくなってきます。

んでも、一応人様からお借りしたものだし、途中でやめて「ツマンエ!」って言って返すのも忍びないし、なんとか日記でテキトーに褒めそやしておこうと、とりあえず進めてみることに。そもそも途中選択肢が一切でてこないので、ずっとポチポチボタン押すだけでゲーム進んでくし。オートモードもあるけど、手動で進めたほうが早いし。

あと、なんか難しそうな科学知識に基づく物語展開が鼻につきます。いわゆる「高学歴作品」ってヤツです。

なーんかいかにも頭いいぞって言わんばかりの台詞まわし。わざわざ難しい言葉や言い回しを多用して。これ読みづらいとか、意味不明とか言ったら、自分が頭悪いみたいじゃないですか。何かコレって「面白いって言わなきゃいけない感」ありません?カンヌとか獲った映画とか、難解さが人気のあの作家の小説みたいな。

だもんで、コレの支持層がわかった時点で、もうそういう感じの好評書いて終わろうと思ったのです。

が…。

鼻くそほじりながらずっとボタンポチポチだけして3,4時間たった頃でしょうか。Chapterでいうと3だったかな。唐突にSF脳を後頭部からガイーンってヤラれました。なんだこの不意打ちズルイ。ていうか、どんだけスロースタートなゲームだよと。さらに、Chapter6の最終加速がまた凄い。ここでソッチ方面の話になるのかよ!?と。

と言っても全然楽しさが伝わらないと思うんですが、要するに映画『バタフライ・エフェクト』なんですね。

より具体的に言うと、タイムトラベルとソレに伴う変化や矛盾をテーマにしたタイムパラドックスもの。加えて、歴史の改変、量子力学多世界解釈観測問題などを、よくある高学歴作品(笑)みたいに単語や理論だけ出すのではなく、ちゃんとわかりやすく、物語として見せてくれてるのが素晴らしいのです。

そこで描かれてる科学理論が正確かどうかは異論ありそうですが、個人的にはどうでもいいです。文系なんで。

何より、本格SFや美少女モノというキャッチーな肩書きを抜きにしても、ふつうに読み物として面白いですし。そもそも、今回はアドベンチャーゲームとしてのプレイすらしてませんでしたが(分岐を完スルーしたので)それでも十分エンターテインメントとして通用してると思います。映画がわりに見れますもん。

とりあえず、タイムトラベルもの好きには是非とも遊んでほしいです。
ただし、"2010年の秋葉原を舞台にしている"作品なので、プレイするなら旬なうちに。
なんかどうしても、出てくる単語が、月日を経るたびに懐かしくなっていってしまうと思うので…。