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泥船てすかとりぽか

FC2ガ沈ムマエニ逃ゲダシマシタ。

『ボーダーブレイク Ver1.5』 王族の賭場

機動戦士ガンダムUC』のDVDを買いに渋谷くんだりまで行ったものの、どこも売り切れで購入できず。

発売日に買おうと思ってたんだけど、朝から晩まで会議漬けで会社抜け出せなかったんだよね…。それでも、こんなにも早く履けてしまうとは、売る側にとっても想定外だったんじゃないかとは思いますよ。宇宙世紀モノ恐るべし。でも、友達とお茶飲んで、『ボーダーブレイク Ver1.5』のロケテストも見てこれたのでよしとしましょう。

ボーダーブレイク』は、ゲームセンターにある大型筐体で稼働中のオンラインFPS(厳密にはTPS)です。

全国のゲームセンターにある個々の筐体とそのプレイヤー同士をネットワークで接続し、最大10対10の20人同時対戦プレイを実現。ゲーセンで遊べるオンラインFPSには、既に北米PCゲームからの移植作『ハーフライフ2』とか数種がありますが、アーケード専用かつ全国規模でのネットワーク対戦を実現したという意味ではお初。

押井守の『アヴァロン』みたいでいぐね?と自分も以前プレイして感想は書いてみました。

個人的な所感を要約すると「親切設計で理想的なオンライン対戦環境を実現してるんだけど、いかんせんプレイ料金が高すぐる。」というものでした。プレイ時間に対する従量課金なのはいいんですが、「コンフィグ設定の時間にまで金をとるの?」という一点の疑念のみが、継続プレイにつながらない障壁と感じてしまったのです。

でも、ゲームとして見ると高いかもしれないけど、趣味として見るなら金がかかる方でもないなとも思います。

そもそも、シューティングゲーム対戦格闘ゲームなど、かつてアーケードの主流だったゲームが衰退し、さらに家庭用ゲームハードのスペックがアーケードゲームのソレを凌駕してしまったことに起因して、ゲーセン界隈の運営方針は大きく変わってしまっていますし。客数が増やせないなら、客単価を上げるしかないという方向へ。

100人から1時間に100円づつとるよりも、10人から1時間に1,000円づつとればいいじゃんかと。

そのために、各ゲームのプレイに特化した特殊な入力装置をもつゲーム筐体と、オンライン対戦型カードゲームやオンラインFPSなど、「ゲーセンでしか提供できない高いゲーム性」をもつソフトが次々と生まれていきました。だから「値段が高い」のは当然で、要はそれに比例してゲームが面白くなってれば何も問題ではないのです。

極論すると、10倍面白いゲームになら、10倍お金を払ってくれる人はいるという話です。

極論ていうか暴論ですけど。まぁ、10倍といわず2,3倍の面白さでも払うよって話だとしても、そんなゲームの面白さなんてそうそうインフレするもんでもないし。実際、高単価に釣り合わず消えていくゲームが多いわけです。そんな中、『ボーダーブレイク』がかなりの隆盛と高評価を得ているのはずっと気になってはいたんですね。

その理由として、「競技としての公平性」が一番の理由なんじゃないかと、考えてみた次第。

FPSに限らず、PCや家庭用ゲーム機で遊ぶオンライン対戦ゲームの類はとにかく不公平です。マシンスペックや回線の速度安定性など個々の環境の差異、誰がホストを持つかだけで同期がとれなくなるのは当たり前だし。チートやサーバーハッキングによっていくらでも特定個人が有利な状況を作ることができてしまうし。

誰もが公平で、純粋にプレイスキルだけを競えるという環境とはとても言い難いものです。

最近世界で売れたゲームで自身もやりこんだ『COD:MW2』のオンライン対戦でも、同期がとれないのはある意味「仕様」と言われ、チートやサーバーハッキングも問題になりました。ただ、実際はそれほど酷い非同期があるわけでもなく、チートなんかしてたのは全体の1%に満たないごく僅かのプレイヤーなんでしょうけど。

でも、その「わずかでもある同期問題」と「1%いるチーター」という事実が、絶対的な疑念を生み出します。

自分が先に撃ったはずなのに、撃ち負けた。弾が当たったはずなのに、相手が死ななかった。自分のスキル不足、または単なる誤認であるこうした場面に立ち会った際、口に出さないまでも、頭の中では疑念が生まれてしまう。今のは、こちら側の回線同期が遅れたせいじゃないか…。もしくは、相手が何かズルしたんじゃないか…と。

"子曰く、顔真っ赤にしながら「今の飛んでないんだが・・」とレバーをグルグルまわしてた。"

この疑念は、ただでさえ不公平な実況に「払拭できない不公平感」まで伴わせてしまう。この不公平感を許容できないユーザーはゲームを去るし、残るユーザーはこの感じを拭えないまま「そもそもオンライン対戦ゲームなんてそんなもんだ…」という諦めとともにプレイを続けるしかなくなってしまいます。

でも、『ボダブレ』は上記の不公平と不公平感を見事に解決しているのです。

そりゃ、アーケード専用ゲームなんだからあたりまえなんだけど。少なくとも「あの店は回線が悪い」とか、個々の環境によって同期が遅れるという話は聞かないし。観衆の中、あの特殊な筐体をガバッて開けて基盤をいじってチートしたり、サーバーハッキングを仕掛けるといったことは、まず考えること自体がナンセンスですし。

何の疑念もなく、純粋にプレイスキルだけを競うことができる。それが『ボダブレ』最大の特性じゃないかと。

それでも他のタイトルなら、「あいつは家に筐体持っててチートしてんじゃないか?」とか、「奴は社員じゃないのか?」とか、「奴は覚せい剤キメてプレイしてるから時間が止まって見えてる。」とか、くだらない噂を立てて不公平感を煽るアホが必ず湧くもんなんですけど。単価が高いのでそういうアホがプレイしない、いやできないのです。

嗚呼、まるで王侯貴族だけが愉しむ高級サロンの中の賭場のよう…。

まさに今ゲーセンが生き残るためには、そういう「お金持ちのための社交場」への変革が必要なんだと思います。それこそ、『アヴァロン』みたいな実体感ゲームが実現できるのであれば、1時間に1,000円どころか何万円でもつぎ込む人は出てきます。アレはキャラロストすると廃人になるので、本当の意味でネトゲ廃人化できますし。

そういうわけで、セガには踏ん張ってもらいたいです。この世からゲーセンがなくならないように!!