てすかとりぽか

最近はポケモンのことを書く場所です。

『スカイライン -征服-』 周囲に妊婦がいる方必見!

予告編見て普通のボンクラ映画を覚悟して観に行ったところ、予想を上回るボンクラ映画でした。
とりあえずネタバレ全開で飛ばしますので、未見の方はご注意ください。

でも、面白さに関しては個人的に2011年暫定1位ですよまじで。

スカイライン -征服-

2011年公開のアメリカ映画。グレッグ・ストラウス監督作品。

ロサンゼルスの高級マンションのペントハウスリア充まるだしパーティーをエンジョイしていた主人公たち。(この時点で登場人物全部死ねばいいのにと思いましたが。)そんな彼らの日常を完膚なきまでにブチ壊してくれる超巨大UFOやらエイリアンによる侵略行為に胸がアツくならないわけがない。ヤッチマイナー!!!!

でまぁ、最初に悪口から言っておきましょう。展開が予告編まんますぎですよ!!!!

中盤までの“観客をビックリさせたい”シーンは、全部が全部予告編に入っちゃってるんですよ。だもんで、もうこの後どうなるのかが丸分かりです。まるで、『王様のブランチ』がよくやる“忙しい人のための映画紹介”を観てる気分です。なんどあのコーナーにオチ以外を全部バラされて口惜しい思いをしたことか。その感じ。

でも、それでも。作品全体としては“予告編を見事に裏切る”ものになっています。

悪く言えば“予告編詐欺”、この裏切り行為を好意的にとらえられるか否かで、本作の評価は変わってしまうんじゃないかと思います。個人的には“良い意味で裏切られた”と思っていますけど、「ふざきんな金かえせギーー!!」ってなっちゃう人がいてもおかしくないんじゃないかなーとは思います。

ラストシーンなんか特に。アレは「ハァ?」ってなるか、腹抱えて笑うかの二択しかないですって。

自分的にはわりと“突拍子もないレベルのボンクラ映画”として笑って楽しめました。一見SF超大作の皮を被ったボンクラ映画が数あるなかでも、群を抜いていると感じます。一番近い例をあげるなら『インデペンデンス・デイ』なんでしょうけど、アレへの敬意を払いながらも、うまいこと上回ってるとも思います。

とにかく、一番ウケたのは、巨大UFOに核ミサイル撃ち込むシーン。

ロス上空に鎮座する巨大UFOに対し、終に航空戦力での反撃をはじめる米軍。その航空戦力の運用方法が凄い。“B-2(ステルス戦略爆撃機)”と“F-22 ラプター(多用途戦術戦闘機)”と“RQ-1 プレデター無人偵察機)”数百機が編隊も組まずに、巨大UFOと小型UFOを各個迎撃せんとするのです。

「全軍総攻撃!」というやつです。ロマンはありますが、絵面的には相当頭悪く見えます。

それで、うまいこと目標である巨大UFOに接近し、“戦術核”で攻撃しようという作戦なのですが。「なぜ戦略核を使用しない!?」とまず思っちゃいます。『バタリアン』でも『バイオハザード』でも、なんかめんどくさいことになったら「中距離核ミサで消しちゃえ」って言うのが米軍の常なのに。何故この状況下で近接戦闘?

そりゃ、同じ作戦をとった『インデペンデンス・デイ』に対して敬意を払ったのに違いないですね。

そして、小型UFOをかいくぐった一機の放つ核ミサイルが見事巨大UFOに命中!閃光に包まれる巨大UFO!やったか!?やったのか!?いや、やれてるわけがねーよ!『インデペンデンス・デイ』どころか全く同じ轍を踏むのはいろんなとこで見るわ!『エヴァンゲリオン』の第1話にすらあるわ!どうせシールド張ってて無傷…。

黒煙と炎に包まれ、半壊しながら墜落していく巨大UFO…。

「効いちゃうのかよ!」って、この時ペンタゴンにいた高官達はみんな口を揃えて言ったでしょうね…。そりゃあ、フツー地球侵略しに来る巨大UFOっていったら“強力なシールド”で守られてるのが定石だし、そのシールドを掻い潜るとか解除するのが地球側の腕の見せ所なわけですから…。肩透かしもいいとこです…。

ただ、ここまでいい具合に“地球側と宇宙人側の戦力が拮抗している”侵略戦争モノは他にないです。

「わざわざ恒星間航行して侵略戦争しかけてくるような相手が、同じような戦力レベルなわけねーだろ!」って言うつっこみはさておき、そのおかげでいい感じに“全面戦争感”が出てるんですよね。これって、自分が『宇宙戦争』に求めていたイメージなんですけど、アレは戦争っていうよりはサバイバル物になっちゃてますからね。

もしくはコレ、事前にジュネーブ条約的な感じの条約結んで、戦争法に基づいてやってる戦争なんじゃ…。

宇宙人も侵略の手際悪すぎだし。一軒一軒家を覗いてって“目視に基づいて地球人を捕獲”とかないわ。カーテン閉めてれば大丈夫とかないわ。きっと大量殺戮兵器の携行を禁止されてるんですね。さらに、バズーカでやられちゃうどころか、車にはねられて気絶とか、しまいにはブロックで殴られて死んじゃうとか防御よわっ。

まぁ、ブロックで殴られて、その後素手で殴られて死ぬあたりも『インデペンデンス・デイ』の…。

しかもあのシーンはその作りの安っぽさがトンデモなく際立っていて。ゴム的なスーツをぼよんぼよん殴ってる感じ。ここで確信しました。“B級な部分で笑い取ろうとしてる”って。「そんなに怒らないで!ギャグなんだってコレ!」っていう必死さが伝わってくるようでした。おかげで、ほんといろいろ吹っ切れました。

あと、本作も出てきます。大好きなスナイパーライフルの“バレット”!!

屋上に配備された狙撃犯が巨大モンスターに対して使ってました。しかも、微妙に効いてる。さすが、『ロボコップ』でクレメンス一味が使っていたコブラ砲。『第9地区』でもエイリアンのパワードスーツをひざまづかせる活躍をし、『ハートロッカー』では超長距離射撃でテロリストを沈黙させた、“バレット”かっこいいぜ!!

最後に、どうしても気になってしまった、作品全体に漂う“妊婦にやさしくね!”の精神。

勿論良いことだとは思うんですけど。急いで逃げなきゃいけない時にわざわざ車停めて「荷物積むの手伝いましょうか?」とか、さっきまでエイリアンと格闘してその体液まみれになってたくせに「タバコ吸うなら違う部屋行くわ…」とか、なにかしら製作者側の“怨念”のようなものを感じて、気になってしまったのです。

いやでも、まじで大事なことなので、ご家族や周囲に妊婦がいる方は絶対見ておいてほしい作品です。