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『タンタンの冒険』 大人気ない(いい意味で)

ネタバレなしです。

タンタンの冒険 ユニコーン号の秘密

2011年のアメリカ映画。スティーブン・スピルバーグ監督作品。

ベルギーの漫画家・エルジェによって描かれた漫画(バンド・デシネ)。主人公の少年記者タンタン(TINTIN)と相棒の白い犬スノーウィ[1]が世界中を旅行し、事件に巻き込まれるお話。(Wikipediaまんまコピペ)

タンタンじゃなくてティンティンじゃないのか?って話は誰しもみんなが通る道なので割愛。

子供向け映画なのでほんの家族サービスのつもりで気軽に観に行ったんですけど、なんていうか全力投球のスピルバーグ映画で吃驚しました。スピルバーグだってこないだまで『スーパー8』撮ってたし、CGアニメの本作の方なんてどうせ片手間でやってたんデショって想ってたのが大間違い。本当に大人気ない作品でした。

何が凄いかってCGが凄い。CGが凄いって時点でそれを文章で説明すんの難しいんですけど兎に角凄い。

最近は「CGが凄い」=「馬鹿映画」「低予算映画」っていうレッテルが先行しがちだからCGCG言いたくはないんですけど、実際ここ数年で「CGが凄い」って思った映像作品って確かになかったんですよね。10年前は自分でもCGを創ってたぐらいCGが持て囃されてたてたので、新しいCG映像表現が生まれるたびに驚いてたもんです。

ここ数年はそれが、だんだんどれも似たりよったりなり、逆に露骨なヤツは嫌悪の対象にすらなりました。

ガンダムの富野監督がそういったCG映像による創作性を卑下して曰く「みんな同じツール使って同じことやってるんだから新しい絵なんか出来っこない」ってことなんですけど、実際そのとおりとしか言えないんですよね。CGはアニメや漫画と違い、その技術単体持ってても食べていけないという実情もその理由なんだと思います。

事実、CG製作の現場では、CGはデザイナーが創るものではなく、オペレーターが作るものですし。

そのCGオペレーターになる人も、10年前と違って激減しちゃってますからね。だって、食えないんだもん。どうしてもCGで食っていきたいなら、脚本も音楽も全部自分で創れる映像作家になるしかない。そうなって更に食べていけるようになれる人はほんの一握りっていう、そんなのがCGに関する国内の現実だったりします。

新海誠監督みたいな方が、その草分けであり希少な例だったりするわけですけど。

ハリウッドの方の就業事情は正直よく知らないんですけど、CGアニメ全盛のピクサーとかの作品を観るにしても、アレは“CGを売りにしている”わけではなく、“CGを低コストでの映像作成手段”として割り切って使っているのがわかります。だから『トイストーリー』見て「CGすげえ!」とは言わないわけですけど。

そんな中、本作のCGによる映像表現は、本当に凄いと思ったわけなのです。

途中、物凄い長い回しのワンカットのシーンがあるんですけど、もう本当「うおおおおおおお!!」って感じでしか表現しようのない凄い凄さなのです。ああいうのは確かに“CG使わないとできない表現”かつ“クリエィティビティに溢れた絵”として、素直に“映像表現の革新”とぐらい言ってもいいのではないかと思いました。

ただ、それをやったのが“子供向け映画”だったから、そこはどうしても“大人気ない”と感じました。

もちろん、いい意味でですけどね。ただ、何故ここまで気合入れてやったの?って。“子供向け映画”な自体で、そのへんを期待して見に来る人はいないわけだし、そのへんを期待してる人はほとんど観にはこないと思うのですよ。少なくとも、本作の国内プロモーションはCG推しなんかではないようですし。

あとは、やっぱり一部原作ファンの方々には、その“リアルなCG描写”が勘に触られているようですしね。

ツイッター上での映画クラスタの皆さんの本作の評価見てても、見事に真っ二つで面白いです。みんな子供向け映画に向かって全力でマジレスしてて大人気ないです。自分もその中に加わるために長文ツィートしたりしてますが、大人気なさという意味ではまだまだです。「ティンティンの冒険」とか言ってる中学生レベルです。

でも、そういうこと言わないのが大人になるってことなら、大人になんかなれなくていいってばよ。