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泥船てすかとりぽか

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『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』 ネタバレなし(優しい)

えいが

ものすごくうるさくて、ありえないほど近い

2011年のアメリカ映画。スティーブン・ダルドリー監督作品。

ジョナサン・サフラン・フォアによる同名小説が原作。2001年のアメリカ同時多発テロ事件を背景としており、この事件で父親を失った9歳の少年オスカー・シェルが、父の遺品から見つけた鍵の秘密を探るためにニューヨーク中を探るという物語。自分は原作は未読で、ほぼ前情報ゼロで本作を鑑賞しました。

号泣しました。

泣き所を話すとネタバレになってしまうので詳しくは話せないのですが、“なんか人が死ぬ”とか“動物が死ぬ”とか“なんか知らんけどいろいろ酷い目に遭う”とかよくある泣かせ映画とは一線を画する不意打ちでした。別に泣けるから良い映画だとはそういうつもりはないけど、色々憑き物が落ちてスッキリしました。

ただ、日本での評判は良いのに、本国アメリカでの評判は芳しくないということ。

アカデミー賞にもノミネートされていますが、作品賞を含む2部門のみ。そのノミネート自体も疑問視されているという本作。勿論、アカデミー賞だから良い映画だなんて観方をするつもりはないですけど、個人的な主観では扱っているテーマや脚本や俳演を見ても、不評と感じる要素など何もないように感じました。

日本でツッコミの多い“主人公のガキがウザい”という点に関しても不評理由とは思えないです。

オスカーの性格と行動の理由に関しては、劇中ものすごく丁寧にありえないほど理解りやすく説明してくれていますからね。そこを読み違えて批評する人はさすがに少ないと思いますし、オスカーの事情をわかった上で彼を嫌うのであれば、正直いって“鬼畜”すぎます。世の中そんな人ばかりとは思いたくないです。

あと、“タイトルの意味がよくわからない”という点について。

確かに映画の内容からだとさっぱりわからないのです。でも、“オスカーが探し求めて、最終的に得たもの”で、映画の内容だけに捉われず、普遍的な意味での“ものすごくうるさくて、ありえないほど近いもの”ってソレ以外考えられないんですよね。ソレについて話すとやっぱりネタバレなので話せないのですが。

ちなみに、最後に見つけたモノの話と、自分の泣き所の話は全く別です。

9.11の事故で家族を失った者が、何を考え何に苦しんでいるのかを描いた作品でもありますが、その部分は物語の構成要素の一部でしかなく、語りたいテーマは全く別。さらに謎解きの要素や、対人コミュニケーション問題、登場人物がそれぞれ抱えるの秘密など、様々な要素が絡まりあって1つの物語になっていきます。

単純な“泣き映画”としてだけじゃなく、エンタメ映画として、滅茶苦茶面白いんです。

何を言ってるのかさっぱりわからないと思いますが、正直この映画をネタバレなしに語るに十分な文章スキルを持ち合わせていない自分がもどかしいです。是非、著名な映画評論家の方々には本作を観ていただいて、それぞれのお話をお聞きしたいです。結構、個々人のスタンスによって観方が別れると思います。

話を戻して、「何でアメリカで不評なのか?」という点について。

CinemaNavi21さんの解説“「ものすごくうるさくて…」本作のどこが監督賞・脚色賞ノミネートに値しなかったのか〜新作映画解説?”が一番しっくりきました。要は、“「9.11同時多発テロ」というアメリカにとって21世紀最大のトラウマをイギリス人監督が取り上げたから”という、米国人のプライドに根付いているという理由ですね。

うん、まぁそうだよね。特にアカデミー的な人にとっては。

でも、日本で3.11を映画の題材にした邦画監督が「不謹慎だ!」って非難されたにも関わらず、リドリー・スコットが監督するって言ったら特に何も言われないのは不思議な話ではありますけどね。いずれにしても、被災した人々が何を思い何に苦しんでいるのか、ソレを描くことは何より大事なことだとは思います。

本作は色々解釈が別れる作品だと思います。でも、観ると他人に優しくなれます。それだけは確かです。