泥船てすかとりぽか

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『貞子3D』 ネタバレなし

ストーリー部分のネタバレは回避しております。

貞子3D

2012年の日本映画。英勉監督作品。

人気ホラー作品『リング』シリーズの最新作。呪いのビデオから呪いの動画に移り変わり、クラウド内を自由に動く貞子と、 その周りで関係していく人達。3Dとなり恐怖感もさらにパワーアップ!!(公式宣伝文より)

クラウドですよ!クラウド!!

映画『リング』は自身が最も回数多く(昨日もまたナウシカ観たけどそれより多く)観てる作品なので、ぶっちゃけ滅茶苦茶好きです。(『リング』感想)でも、本作を「原作レイプだ!」と罵る声にはこう反論したい。「最初の映画時点で既に小説版の原作レイプじゃねーか!!」と。そういう意味で本作もそのへんは気になりませんでした。

確かに映画のデキとしては酷いと思いますよ。脚本の整合性なんてもう…。

でもね。別に映画館に脚本読みに来てるわけじゃないんで。そもそも3D映画で、ホラー映画なわけですよ。「貞子が飛び出してくるだけの映画なんだろうな!」なんてのは誰でも予想できるわけです。でも、『リング』シリーズ特有の薄気味悪さとか、水や海をモチーフにしたラヴクラフト的世界観が繰り広げられるわけで…。

1ミリも繰り広げられなかった。ただ、“貞子が飛び出してくるだけの映画”でした。

で、でもね。貞子が飛び出してるだけでも凄いことだと思うんです。世界を席捲したあの“貞子”は一体どのように飛び出してくるのか…。まずは井戸が映るのだろうか、這い寄って出てくるんでしょうか、あの生理的嫌悪感著しい呪いの映像はどうなるのか…。ブラクラみたいにただギャー!って出てくるだけじゃないだろうし…。

ただ、ブラクラみたいに「手がギャーッ」って出てくるだけでした。

しかもね、それが初回だけならまだいい。2回目、3回目、4回目、なんども全く同じ構図から「手がギャーッ」ってするだけ。いや、一応吃驚はするんだけどね。怖い…っていうのとは違うんですよね。まぁ、もはや貞子に怖さは求めてないから怖くなくてもいいっちゃいいんですけどね…。

むしろ、なんか回数を重ねるごとに…じわじわと笑いがこみ上げてくるんですよ。

お笑いの技法で言うところの“天丼(かぶせ)”ですよね。芸人がボケた場合、その内容は客の記憶の中に一定時間残る。その記憶を呼び起こすことで、共感と意外性を同時に生み出すという技。本人の意識では全く面白いと思って無い筈なのに笑ってしまう。一種の“呪い”とも言えるこの技法を貞子が使うようになるとは…。

クラウド言ってる自体で気づくべきでした。この映画はそういう映画だったんですよね。

でも、開き直って観るようにしてからは面白いわ面白いわ。ていうか、既に“テレビから霊が出てくる”っていう元の設定時点で、そういう映像化の方向性しかなかったのに、あれだけ名状しがたいモノを生み出した『リング』の方が凄すぎたんだわ。そして、本作は本作でやっぱり凄い。怖くは無いけど、凄くなくは全くないです。

特に後半、“昭和の特撮ホラー・SF全盛時代”を彷彿とさせる無理…じゃなくて超展開が待ち受けています。

そう、本作は“特撮映画”なのです。しかも“3Dで観られる特撮ホラー映画”なのです。「特撮映画は映画じゃない」とか思っているシャレオツスィーツどもは回れ右して帰るといいです。但し、特撮好きを自称するなら、本作が劇場公開されているうちに絶対に観ておくべき。3Dで観られるうちに観ておくべきです。

下手すると(下手しなくても)ソフト化されないですよ。完全に3D前提の作りしてますから。

「非3DやDVDやブルーレイでも売ろう」とか生半可な考えではなく、ド直球で「3D映画として売ってやる!」という覚悟がビシビシ伝わってきます。そんな“3D特撮ホラー邦画”なんて、おそらくもう2度と作られることはないでしょう。この機会を逃すのは、人生にとって大きな損失と言えるのではないでしょうか。

勿論、観た人はスタッフロールが終わるまで席を立ってはいけません。理由は…わかるよね?

あと、“『貞子3D』 ネタバレあり”も書きました。