てすかとりぽか

最近はポケモンのことを書く場所です。

『月に繭 地には果実〈上〉』

月に繭 地には果実〈上〉』日小説

いまをときめく『ローレライ』の福井晴敏が描く『ターン∀ガンダム』。個人的に最も好きなガンダム作品ですが、その大きな理由はの一つは「ガンダムを売りにしなかった唯一のガンダム」であることです。

ガンダムを売る」ということは文字通りカッコよくて強い巨大ロボットをたくさん出して、そのオモチャを売るということ。
のみならず、美少女美少年もたくさん出して2次ヲタや腐女子層もとりこんでみましたというソレのこと。

今週のSEEDなんてホラ。主役機が2機とも壊れてバンダイはウハウハです。担当者の声が聞こえてきそうです。
「そろそろどっちも売り上げ落ちてきてるんだよね〜」
「ここらでバーン!と壊してドーン!と出そうよ!新商品!」
「もっとスーパーな感じのフリーダムガンダムを!」
「もうこれはヤヴァイ!アツい!間違いない!」

そうして生まれた「スーパーフリーダムガンダム」でしたが、諸般の事情により「ストライクフリーダムガンダム」に名称変更。
ただ、一度「スーフリガンダム」なる愛称を冠した汚名はもうぬぐえない。

そんなスポンサーの都合などに全く翻弄されることなく、『ターン∀ガンダム』はその歴史情緒ある世界と相反する近未来SF世界が共存する独創的な物語を売りに、あえて「ガンダム作品」ではなく、「いちアニメ作品」として勝負していました。結果生まれた作品は、たとえそのスジの輩でなくとも鑑賞に堪え得る数少ない「ガンダム」として賞賛できます。

また、ロボットやキャラクターを売りにしなかったからといって、モビルスーツがカッコ悪いとか、人物の魅力は薄いといったことは全くありません。
シド・ミードデザインのモビルスーツ群は他作品に比してもズバ抜けてスタイリッシュだし(外人のデザインがどうとかヒゲがどうとかいう人は可愛そうだけど美意識がない)。
安田朗の描くキャラクターたちは「所詮ロボットモノ」というジンクスを跳ね返してイキイキと存在感があるし。グエン様とか腐女子が邪知するまでもなくホモだし。

でもプラモで「MGターンX」とかGUNDAM FIXで「ターンA・X コンパチモデル」とか出たら絶対買うんで、正直もっとちゃんと売って欲しかったとは思います。

てか「GFF ターンA」切望。ブライトのせがれが乗るガンダムとか別に出さんでいいから。てゆか『Gジェネ』とかやらん限り普通知らんから。ちなみにそのせがれは「Z」で海に落ちてアムロに助けられた恩返しに「逆シャア」でアムロの彼女殺したりしてる無精者ですが、最後はテロリストとして死刑になります。南無。

ここまで話して「ガンダムって何?」ていう人がいるかもしらんので、そういう人は簡潔でわかりやすいマンガ版を見るといいです。