『アトミック・カフェ』 予習
『Fallout 3』がもう今日発売だって。冗談じゃないよ。
こちとらこないだ『Gears of War』が終わったと思ったら、『デッドライジング』で詰みに詰んでる真っ最中ですよ!なんという詰ませ上手だよ!そんでもって世のXboxユーザーから1年以上取り残されてるよ!
で、その『Fallout 3』。数々のレビューではその自由度と世界観が話題になってるところですけど。どこも「核戦争後の世界を舞台に」としか書いてないんですよね。そう言われると『北斗の拳』とか『女神転生』みたいな、そんな世界を想像するところですけども。
正確には「1960年前後に核戦争が発生し、そのまま数十年経過した世界」が舞台です。
まさに自分が本作にヒャホーイしてるのはそこのところで。1960年代といえば、まだまだアメリカが原爆を「自由と正義のための武器」として民衆を煽動し、何の疑いもなく「世界平和のための侵略戦争」を繰り広げていた、とても幸せな時代です。
今でも、半分そうだけど。
とりあえず政治的な話は置いておいて、そんな時代に政府とメディアによる大衆操作を目的に作られたプロパガンダフィルムの数々は、今になって見ると荒唐無稽で馬鹿馬鹿しくって、不謹慎ながら笑えてしまい、かつポップでユーモラスなんですよね。
『アトミック・カフェ』は、そんな映像の数々を集めたドキュメンタリー映画。
「水爆ひとつで すべては 終わりだ
みんな 一緒に あの世行き 神様 どうぞ お助けを♪」
当時流行した(らしい)カントリー調の「核ポップ」に乗せて流される、「放射能よけバッジ」一個を胸に核実験のキノコ雲を"間近で"見あげる兵士たちや、ビキニ環礁で行なわれた水爆実験の下"何も知らずに微笑みつづける"原住民たちの映像。
極めつけは、「亀のバート君」が登場する子供向けの教育ビデオ「ダック&カヴァー(Duck and Cover・さっと隠れて頭を覆え)」で子供たちに原爆への対処法を説明(Youtubeに映像あったのは吃驚。↓)。
いや、地震じゃないんだからさ…。
(東京大空襲の際、防空頭巾が熱で燃えるもんで逆に死ねたって話に似てるなぁ。)
というか、まさに『Fallout 3』の公式トレイラーはこの映画のノリ、つまり"1960年代の古き良きアメリカ(笑)"のノリを完全に踏襲してるんですよね。作り手も勿論ネタとしてそのへんを熟知したセンスを持ってるみたい。
そんなふざけた…じゃなくて素敵なネタ的世界観を持ったRPGはこれまでないと思います。
(CEROにはそれがネタとして通じなくて、色々削られたらしいけどね日本語版…。)
そもそも、「核戦争後の世界」って、『女神転生』を筆頭に「中二病的世界観の王道設定」だと思ってたんですが、「いつの時代に起きた核戦争か?」とか"歴史の分岐点"をスライドさせるだけで、こんなにもポップな世界設定にできるんだ!っていう着眼点が素晴らしいのです。
とりあえず、そういう世界設定を理解するために、『アトミック・カフェ』はおすすめの一本です。