『プルミエール ~私たちの出産~』
今週はなんだかといても忙しかったでした。なんかもうずっと字ばっかり書いてました。
来週からもまだまだ忙しいのですが、とりあえず終末だけはまたりします。
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2008年のフランス映画。ジル・ド・メストル監督。
ヒトの出産という普遍的なテーマを、世界中の色々な場所、色々な人種の妊婦の視点から綴ったドキュメンタリー映画。海で産むヒト、山で産むヒト、砂漠で産むヒト、病院で産むヒト、イルカと一緒に産むヒトなどなど、それぞれの出産シーンとともに、ドラマチックに描いています。
こういう「命に関する物語」系の作品って、素直に「良かった。感動した。」っていう感想が多くを占めるのかと思ってましたが、「非ィ科学的なマジキチ話」っていうような評価もされてました。そうした意見の多くは、「医学的にもリスクが高い自然分娩なんかを奨励している!」というものだったようですが。
確かに、冷静になって考えてみれば「イルカと一緒に水中出産」を好しとすることに科学的根拠はまるでないですし、ややもすれば母子生命への危険をもともなうだけでなく、「イルカの超音波が胎教にイイ!」とかいうエセ科学やトンデモ医学の跳梁跋扈を助長することにもなりえるかもしれません。
イルカは胎児のことなんか考えてないのかもしれません。
イワシのことしか考えてないのかもしれません。
ただ、この映画って、そもそも医学とか科学的根拠がどうとか、自然分娩は帝王切開ないし無痛分娩より優れているとか劣っているとか、そういう即物的な話じゃないと思うんですよね。それこそ、帝王切開だって自然分娩だって、みんなの考え方は違えど思いのベクトルは一緒じゃんかって話だと思います。
とりあえず、自分としては文化人類学的な意味で貴重な知識を得ることができたと満足しています。人類の起源から連綿と存在している分娩のリスクというものに対し、共同体やコミュニティあるいは呪術といった類の「科学とは相容れないモノ」がそのフォロワーになりえるという実例を知ることができました。
ヒトの産まれ方に貴賎なし。故にヒトの生にも貴賎なし。
そんなことを勝手に思った次第なのでした。
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シリーズ続編の筈なのに過去作品の自己パロにしか見えないの。
同じパロディなら『銀魂』の最終回の方が面白かったでした。
てゆか今週の『銀魂』はパロディとしては神クラスです。