てすかとりぽか

最近はポケモンのことを書く場所です。

『ネトゲ廃人』

ネトゲ廃人』という本を読みました。

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「私が眠ると、みんな死んじゃう。」
「ママのゲームをじゃましない子ども。」
「小学三年生なんですけど、いいですか?」
「ゲーム恋愛のときめきを告白する妻。」

↑ジャケと帯の文体で勝ちだと思いました。

芦崎治著。オンラインゲームにはまることでリアル人生をないがしろにする人たち、いわゆる「ネトゲ廃人」へのインタビューを集めたルポタージュ。著者の基本姿勢がなぜか上から目線なのと、オンラインゲーム=悪という結論ありきの論評ですけど、これだけ多くの廃人話を集めたのは素直に評価できます。

せめてバーチャルでモテたいがためにゲームにひきこもった結果、リアルで職を失った男の話。

「三食昼寝付きゲーム三昧」という条件で60代の男性と結婚した20代ひきこもり女性の話。

リネージュII』のゲームアイテムを買うために消費者金融から600万円借りて失踪した男の話。

ゲームをやってなくても夜中にモンスターがあらわれて、仲間を回復したり魔法で敵を眠らせたりなどの戦略が勝手に脳内で働いてしまうというオンラインゲーム依存症の女性の話。

セカンドライフ』で時給36円を必死に稼ぐ自称ウェディングプランナーの話。

「子どもがいるとゲームができなくなる。」と離婚してまでゲームにはまる30代女性の話。

ゲームの中ではカッコイイ理想の彼氏にフラれるのが嫌で、リアルでそのキャラの持ち主(性格最悪のキモヲタ)のいいなりになり、貢ぎつづける『ラグナロクオンライン』プレイヤーの女性の話。

ゲームを通じて若い男をたぶらかしては不倫に奔る30代後半の女性の話。

別次元の世界に逝ってしまった妻と息子、そして鬱病になる父の話。

ゲームで年間数十人もの人死にが出る隣国の話。

これらの話はみんな実際にあった内容で英語でいうとノンフィクション。ただ見事な仕事だと関心はするがどこもおかしくはない。所詮お前らは一級廃人のおれの足元にも及ばない貧弱一般人。その一般人どもが一級廃人のおれに対してナメタ言葉を使うことでおれの怒りが有頂天になった。

でも、たしかに実際に本当に実在する一級廃人の人からしてみれば、めしも食わずトイレにも行かずに1日に30時間以上ゲームやるとかいうのは(1日は24時間しかないとかいうのは貧弱一般人の思考)結構ふつうにある話なので、そんなに驚くような話でもないのです。

ファイナルファンタジーXI』でHNM(超強い敵)を狩る集団の中でターゲットコントロール役を担う赤魔道士なんて、50時間ぐらいパッドを離せない耐久戦に備えて、部屋にペットボトル数本常備なのはもはや常識ですし。(コメント欄に「Pあり」って書いてあるあの人たちのことです。)

とりあえず、「三食昼寝付きゲーム三昧」って素敵な言葉だと思いました。