てすかとりぽか

最近はポケモンのことを書く場所です。

『ハイスクール・ミュージカル』 自殺

サウスパーク』のシーズン13で、コレをネタにした話があったので、借りてみました。

ハイスクール・ミュージカル/ザ・ムービー

2009年のアメリカ映画。監督・振り付け:ケニー・オルテガ

※鑑賞上のご注意※

 リアルで充実した高校生活を送ってこなかった方(経済的に裕福な家庭に育たなかった方、インターハイで優勝できなかった方、一流大学からの推薦と奨学金を受けられなかった方、学生演劇で主役を張れなかった方、ポルシェに乗って通学できなかった方、学校で一番人気の異性とつきあえなかった方、プロムに誘ったり誘われたりしなかった方など)は、鑑賞後もしくは鑑賞中随時、発作的に自殺衝動にかられる可能性があります。

ビバリーヒルズ青春白書』も裸足で逃げ出す、恋もスポーツも学業も経済的にも恵まれたパーフェクト高校生たちが織り成す、歌あり踊りありのハイヒエラルキー学園ドラマです。上記のスーパーリア充チェックにかすりもしないような、一般人の高校時代を過ごしたような人の鑑賞はお控えください。死にたくなります。

いわんや、暗い高校生時代を過ごしてきた自分みたいな人間をや。

なんでも、アメリカでは4,000万人以上がこのドラマを支持し、高校生は実生活でもこのドラマの真似をして突然歌いだしたり踊りだしたりするそうなんですよ。(『サウスパーク』でもソレをネタにしてた。)なんというおそろしいことでしょう。アメリカ人は、リア充どもに嫉妬したり目を背けたりすることはないんでしょうか。

もっと、下を向いて生きるという術をしらないのでしょうか。

否、むしろこういうリアルで充実した高校生活を送れなかった時点で、その先の人生もたかが知れています。そんな人生を呪いながら、地べたを這いつくばって生きるより、いち早く雄大な輪廻の流れに帰還し、新しい転生先の人生に賭けてみたほうが合理的とは考えたりしないのでしょうか。

ウィザードリィ』のキャラメイクみたいに、ボーナスポイント19以上が出るまでリセット繰り返せばいいのに。

だって、この映画における主人公らの悩みなんて、「スポーツ推薦と演劇推薦、どっちの一流大学に行くか迷っちゃう。でも、恋人とも離れ離れになりたくないし。」とか。自分の人生の選択肢や可能性がありすぎることについて約2時間に渡って歌って踊りながら悩むという青春ドラマではあるのはわかりますが。

そんな悩みには、共感よりも殺意。殺意よりも自殺衝動が湧き上がってしまいます。

これほどまで突発的に自殺衝動を呼び起こすリア充ドラマはそうそうあるものではなく、有名なところで『耳をすませば』ぐらいなものです。(「耳をすませば 自殺」でぐぐってみればその破壊力がわかります。)だからこそ、アメリカでの大人気に関わらず、日本のテレビ放映が自粛されているという理由もなんとなくわかります。

こんなの流したら、放送テロに発展しかねません。首都圏の鉄道・交通が完全に麻痺してしまいます。

でも、出てくる女子が友近のモノマネのモノマネをしてるのだけは面白かったです。