てすかとりぽか

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『劇場版 マクロスF 虚空歌姫』

劇場版 マクロスF 虚空歌姫〜イツワリノウタヒメ〜

2009年の日本のアニメ映画。河森正治監督作品。

知ってる人には説明の必要もなく、知らない人には知ってもらう必要もない作品。とりあえず、個人的にはものすごく面白かったでした。TVアニメ版観て面白かったという人は、まず観て間違いないです。なんていうか、具体的に何が面白いとか、そういうちゃんとした感想文は書きにくいなーというか、もういろいろ忘れたけど面白いです。

無理矢理なんか言うなら、CGが好かったです。

そんな月並みな感想をと思われるかもしれませんが、CGが褒められる映画なんて滅多にないんです。どうしたって、技術でも演出面でも、CGに関してはゲームの方が先んじてますし。能動的に映像空間を体感できるゲームと違い、受動的にかつ平面的にしか体感できない映画にとって、いいCGを魅せるってのは本当に難しい。

某有名アニメ監督のように「CGで独自のものがつくれるわけがない。」と、CGにおける映像表現について根底から否定される方もいらっしゃいます。「CGはアートにはなりえない」というその意見は、立場的にこそ反論したいところではありますが、CGによる映像表現の頭打ちという事実を指摘してるのは確かなんですから。

まぁゲームはいいです。一昔前と違って「ゲームが映画を目指す」みたいな考え方は廃れてますし、CGによる映像表現が最終目的な時代は終わってますから。問題はアニメと映画。どこかのソフトメーカーが作ったCG映像製作用のテンプレのガワだけ変えたような映像が、粗造乱造されまくってます。

同時期に似たようなテーマのCG作品が相次ぐのは、みんな新しいテンプレを使いたがるからです。
ちょっと昔の隕石や洪水の映画を思い出してもらうとわかると思います。

板野サーカスをCGで再現するにしたって、10年前はLightwave3Dとかで一個一個ミサイルの軌道指定して作ったものですけど、最近は「板野サーカスツクール」的なプラグインがあるので、素人でもアレが描画できます。ソレで作ったCG動画をベースに、手描きアニメの作画をするのもセオリーになってますし。

だから、どんなアニメや映画でサーカスやられたところで、もう驚かない。

それが、作画する側にとってはどんなに辛いことか。特に最初からCGベースの作画に慣れてしまった人間は、もうソレ以上先には進めないわけです。「あー。早く誰か新しい映像表現のテンプレを発明してくんねーかなー。」って思いながら、毎日既存のテンプレを使って映像を作る作業を続けるわけですから。

そして、CGによる映像表現のテンプレも一通り出きっちゃった今、新しい映像表現の追及なんて誰も…。

否。今作のCGによる映像表現のチャレンジ具合は凄いです。チャレンジし過ぎていて、スクリーンの中で何が起こってるんだかわからなかった人も多かった筈です。でも、そんなもんお構いなしに突っ走ってくれました。サーカスや「マクロスアタック後の水泡爆発」みたいな定番映像もちゃんと押えつつね。

そんな、びっくりCG映像博覧会を見せつけられながら、シェリルさんの歌を聴くライヴ映画。

おお、ここのカメラワークすげー!!そして、このシーンでこの曲が来るのかー!!と、2時間常時心臓ワクテカしながら観るのが正しい鑑賞方なんだと思います。ストーリーも一応TV版のリメイクっぽい感じのがついてたけど、正直どうでもいい。アルトくんの二股の行方もけっこうどうでもいい。それは次回作のお話。

あと、メガネは毎回死ぬのかな。『サウスパーク』のケニーみたいに。
「ミシェルがまた殺されちゃった!このひとでなしー!」