てすかとりぽか

最近はポケモンのことを書く場所です。

『[リミット]』 時間の浪費。無駄。非生産的。

ほんとうにつまらないものを観た。
ネタバレと悪態がメインなので、1%でも観る気がある人は回れ右です。

[リミット]

2010年のスペイン映画。ロドリゴ・コルテス監督作品。

目覚めたら棺桶の中にいた。本当にそれだけの話。完全な出オチのみの話。

そりゃあ、ふつーはここからの話の展開と、結末を期待して観はしますわ。そういう意味でも、予告編のつかみの巧さだけはトップクラスですわ。でも、なーんにも起きないんだわ。ずーっともー棺桶の中でキレたり怒鳴ったりないたり怒鳴ったり電話したり怒鳴り散らしたりしてるだけの話なんだわ。

とにかく、主人公の性格が最低。感情移入がどうとか以前に「こいつ死んでいいわ」としか思えない。

まぁ、百歩譲ってこんな状況にいるんだから冷静になんてなれるわけないとしましょうよ。(神経症でクスリ飲んでるっていうしね。てか、なんでそんな特殊な症例の人を主人公にしたんだか。)ただ、忙しい中親切に電話番号教えてくれた友達に「クソッタレ!」はないわ。なんで?全く意味がわかんないですよ。

もうほんと、状況の不条理さ以上に、主人公の言動が不条理すぎ。

このクソ主人公がいろんなとこに電話しては自己中発言やら罵詈雑言を撒き散らすだけのノンストップ2時間。嗚呼、このクソ野郎はいつ冷静になって、脱出方法について頭を巡らせるのかなーと期待してたら、結局何もしない。最後の最後まで喚いているだけ。物語が展開しないという予想外な展開。

てか、予測はできたとしても、そんなつまらん結末はさすがにないだろーと思うまさにその結末。

何も起こらない。主人公が何も起こそうとしない。ただ、電話の向こうの声の世界だけで展開する物語。ある意味、画期的な表現手法なのかもしれない。セットだって俳優が一人と棺桶だけ用意すればいんだけなんで、相当な低予算で撮影できたでしょうし。それで世界配給もされたんだから、ビジネスとしても大成功でしょうよ。

ただ、映像とかビジネスうんぬんはどーでもよくて、とにかくもー話がくそつまらない。

ディカプリオが一番最初の博打に負けて船に乗れない『タイタニック』。ジャック・スパロウが最初の港にたどり着けずに水没する『パイレーツ・オブ・カリビアン』。エヴァンゲリオンが起動しない『新世紀エヴァンゲリオン』みたいなもんです。何も起こらない話、起こそうともしない話ほどつまらないものはない。

登場人物全員言ってることが頭悪いからスリラーにも見えないし。脚本書いてるの中学生か?

そのくせ、無理矢理“反戦”のテーマを盛り込もうとしたり、“家族愛”でお涙頂戴狙ってみたり。でも、その乗っけ方があまりに杜撰で無計画なので、「ハァ?なんでこの話の流れから戦争批判になんの?」と、もう極限状態のストレスから、主人公が突発的な精神疾患を発病したと考えでもしないと理解できないストーリー展開。

つまんない映画といえば『死霊の盆踊り』にだって、ちゃんと話の展開はありますからね。

死霊の盆踊り』は、観るのはほんっとに辛いけど、観た後になにか達成感というか、後世ネタとして使える何かを得られるという点では、相当良い作品ですからね。本作からは、そんなものは何一つ得られない。「つまらなすぎて、逆におもしろい」とかそーゆーの一切ないんで。ただただ、時間の浪費。無駄。非生産的。

極めつけはヘビが棺桶の中に入ってくるシーン。

生死の瀬戸際でヘビがこわい主人公。こわさのあまりアルコール撒いて火つけちゃう。お前の脳みその残念さは本当に素晴らしいわ。でも、おかげでちょっとだけこのシーンは印象に残ったわ。完全にあまった尺の時間つぶしにしか観えないんだけど、唯一主人公が能動的に行動してるシーンだし。わずかにスリリングだし。

てか、これと同じコンセプトで大学生に映画作らせたら、もっとましなもんが山ほどできると思うよ。