てすかとりぽか

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『クラウド アトラス』 人物相関図つき

クラウド アトラス

2012年のアメリカ映画。ラナ・ウォシャウスキートム・ティクヴァ、アンディ・ウォシャウスキー監督作品。

ウォシャウスキー兄弟の性転換話は100万回ぐらい聞いたからスルーして、とりあえず話多すぎ!人多すぎ!で何がなんだかわかんなくなります。要は京極夏彦の『塗仏の宴』みたいに(わかりづらい例え)色んな話が並行して進みつつ、最終的になんか“スッキリ”するアパ体験系映画なのです。

そういう映画なら過去にもありましたが、今回のソレはそれぞれ時代も違うわけですね。

で、一つの時代の登場人物が、また別の時代で生まれ変わって(同じ俳優さんが演じて)行くとゆう、輪廻転生とか永劫回帰とか、仏教的で哲学的で手塚治虫的な感じが素晴らしい作品です。要するに中二臭さとサブカル臭さがたまんねえのは流石ウォシャウスキーの人たちといったところです。

2,3回観に行きたくなるので、マネタイズという意味でもよくできた“循環コンテンツ”ですよ。

とはいえ、ほんと話と人が多くて困るので、海外のサイトで配布してる“人物相関図”を頂戴してまいりました。ていうか、この図観てもぶっちゃけよくわかんねえよって感じなのですが、配布先のサイトの解説が実に秀逸なので、なんとなくですが理解しました。

この画像以下はネタバレ含みますので、初見の大混乱を味わう場合にはご注意ください。

"アダム・ユーイングの太平洋航海誌" (1849)
"ゼデルゲムからの手紙" (1936)
"半減期-ルイサ・レイ 最初の事件" (1973)
"ティモシー・キャヴェンディッシュのおぞましき試練" (2012)
"ソンミ451のオリゾン" (2144)
"ソルーシャの渡しとその後のすべて" (2321)

上記6つの物語で構成される本作。各話に出てくる人物が行動が、次の時代の同じ人物に影響を与えていくという、仏教でいう“因果律”とか“業”のようなテーマが根底にあるようです。善をなすものは善生をうけ、悪をなすものは悪生をうくべし。浄行によって浄たるべく。汚れたる行によって、汚れをうくべしってね。

ていうか、トム・ハンクス浮き沈み激しすぎだろいくらなんでも。

トム・ハンクスに注目して観てみると、1849年に悪徳医師というド底辺から始まり、1936年にはまたケチなホテルフロントとして、1973年には博士としてハル・ベリーといい仲になるという出世。2012年には、自分の小説を酷評した評論家をビルから投げ落として殺す小説家ダーモットにまで悪落ちし…。

あれ?よく考えてみると、別にそれほど“因果応報”を意識した作りにはなってないよね?

ていうか、この2012年の"ティモシー・キャヴェンディッシュのおぞましき試練"が面白すぎて。この話のつづきばっかり気になっちゃって、割と他の話がどーでもよくなっちゃうのが個人的にはバランス悪く感じました。あーもうネオソウルとかいいから、じじい共の“暴力老人ホーム脱出大作戦”を映せッ!!ってなります。

各話のクライマックスが重なる辺りで、一番記憶に残ってるの“じじい共のゲート突破”だもん。

あと「ソンミかわいいよソンミ!」って声が多く出そうなぐらい、あの『空気人形』の女の子も好かったんですが。本作中で一番かわいいのは確実に2012年でアイノーアイノー言ってるちっちゃいおじいちゃんだからね。あのおじいちゃんが、本作の因果律に絡んでないのが不思議なぐらいのかわいさだからね。

てゆか、ソンミの人は予告編みた時までは本気で上野樹里だと思ってました。

でも、一番のつっこみたいのは、ネオソウルのハル・ベリー何だよッ!!闇医者って何だよッ!!ネオソウルの話は『マトリックス』みたいというか、ジャパニメーション(懐かしい)意識した作りになってるのはわかるんだけど、なんか特殊メイクとかアレすぎて完全に『銀魂』みたいなギャグに見えるのはどうなんだろうか。

ソンミの働いてる店とか、完全に『銀魂』に出てくる感じじゃないすか。面白いからいいけど。