泥船てすかとりぽか

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『非実在青少年読本』 規制賛成

今日は朝からTwitterのTLが『iPhone4』の件でもちきり。

会社の人に「iPhone4でますね〜」と気軽に話しかけてみたところ、「ハァ?あんなん買う馬鹿いんの?Flash見れないし、Flashも見れないんだよ?ついでにFlashも見れない。」と半ギレされました。そうか、世の中にはiPhone嫌いな人もいるのを忘れていました。社会人として政治と宗教と野球とTwitteriPhoneの話はタブーなのです。

また、TwitterのTL上で主流な声を、世間一般の声と錯覚してはいけないんだとも認識しました。

Twitter2chなどのネットコミュニティ上で主流を占める声や思想は、必ずしも世間一般的な声や思想と同期しているとは限りません。しかし、それらネットコミュニティをメインの情報収集源とする者の中には、「ネット上の声こそ世界中の人間の総意だ!」と捉えてしてしまう人は少なくはないのですね。

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非実在青少年読本

COMIC リュウ編集部編、徳間書店刊行。

東京都の青少年育成条例の改正にあたり、実在の人間への人権問題である児童ポルノ規制の範囲を広げ、マンガ・アニメ・映画・小説・ゲーム等における未成年のキャラクターを「非実在青少年」と名づけ、作中での表現を規制しようとする法案に対して“みんなで考えてみた”という趣旨のご本です。

結論から言うと、この本を読んで初めて“規制賛成派に回りたくなった”んです。

それはあくまで衝動的な感情であり、また“賛成派を公言することで周囲からバッシングを受ける恐怖”も強いことから、結果的には今でも“しかるべき線引きを業界団体が自主的に行うことを前提とした上でこの法案には反対”というスタンスは変わりません。では、どうして一時的にでも賛成派に回りたくなったのでしょう。

アンケート100人もやって、賛成が一人もいねーとかどーいうことだよ!?

“みんなで考えてみた”っていうのは、予めこの法案に反対するであろう対象に限った意見ばかりを集めるっていうことなんでしょうか。漫画・アニメ・ゲーム・ラノベ・評論に関わる業界著名人ばかりに聞いてみたら、結果的にそうなったって話ならとんだ出来レースです。法案成立時に実害のある業界の人間ばかりなんですから。

“自分の利益を守る話になっているから、首を切られる官僚が「俺たちの組織を守れ」とかいってるのとあまり変わらなく見える」”というのは、本書の中で自分の考えと最も似ていると感じた東浩紀さんの論説の一部の引用ですが、当に自身がずっと感じてきた、反対派の人たちの“説得力のなさ”の由縁なんですよね。

また、本書は規制賛成派の声を100%締め出し、情報のミスリードを狙っていると感じました。

本書において、規制賛成派の思惑は全て、反対派の口から出た言葉でのみ語られています。「青少年の健全育成に名を借りた表現狩り」、「外圧に屈した形での規制強化」、陰謀論も真っ青なトンデモ論説です。そう思われたくないのであれば、最初から規制賛成派の人を連れてきて、好きに書かせた上で反論すればよかったのに。

少なくとも、自身は本書に“賛成派の声”が掲載されていると期待していたんですね。

こんなミスリードを目的とした、一方通行な自己防衛話の羅列ではなく、“いかにして子供を害悪から守るべきか?”と“そのために必要な表現規制とは何か?”というしかるべき目的に沿って、賛成派と反対派が前向きに議論するような内容を期待していました。それだけに、また規制反対派の汚いやり口を見てしまった感。

規制に賛成しているという人がいれば口汚い言葉で罵り、また態度を保留している表現者がいれば“表現者失格”と罵る。規制に賛成する論説を見ようものなら、その論説内容とは無関係な著者の国籍・人種・性別・職業・その他可能な限りの手段を持って糾弾する。ネット上の“規制賛成狩り”を散々見てきたうえで極めつけの本書。

だから、一瞬“規制賛成派に回りたくなった”ということです。

もういいかげんうんざり。Twitterでもどこでも「規制に反対するのは当たり前!表現者の義務!」みたいな声や、実況と称して規制賛成派の論説に「根拠がねえ!」とか「黙れ情弱が!」みたいな野次が飛び交い、あたかもそれが「世界中の人間の総意だ!」とばかりに大声を上げる奴らを見てほんとうんざりした。

「そんな奴らを生み出した諸悪の根源である“非実在青少年”を規制に追い込んでやろう!」

と、一瞬思ったものの、結局法案の内容がお粗末すぎるのでどうにもならないし。そんな声をあげたら、反対派の奴らにどんな酷い目に遭わされるかわかったもんじゃないと思い、素直に「規制反対です^^」って顔をしてることにしました。ていうか、この件に関しては何も話さないのが一番だなーと今更気づきました。

ほんと、どっちが言論統制なんだか…。