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『タイタンの戦い』 縛りプレイ

タイタンの戦い

2010年のアメリカ映画。ルイ・レテリエ監督作品。

1981年製作の特撮映画の名作『タイタンの戦い』 のリメイク版。人形アニメーションで描かれた旧作のテイストをそのままに、3DCGで描きなおした意欲作。というかボンクラ映画。ただ、そう評価されることは作り手側も理解してると思いますし、むしろボンクラ言わないと失礼なんじゃないかと思うぐらいのボンクラぶり。

ちなみに、今回はネタバレ気にせず書きますが、ネタバレが気になるような繊細な方は観ないよね多分。

とりあえず、あらすじ。オリンポスの神々の王であるゼウスは、兄のハデスを騙して冥界の王に据えてしまいます。そんな中、人間からの信仰心が減ってることを寂しく思ったゼウスは、人間の王様に化けて王妃をレイプ。事実を知った人間の王は怒り、王妃と子供を海に沈めて殺し、神々への反乱を誓います。

その海に沈められた子供がなんとか救い出され、成長したのが主人公のペルセウスさん。

そんなペルさんも、育ての両親と漁に出ている際に、人間と神々(ハデス)との戦いに巻き込まれ、家族を失ってしまいます。ハデスに対し復讐を誓うペルさん。ハデスはハデスで、人間による神々への反乱に乗じてゼウスの命を狙います。最強の魔物的なクラーケンを呼び覚まし、まずは人間世界の破戒を目論みます。

そうこうしてるうちに、難なくクラーケンを倒し、ハデスも(5秒で)倒すペルさん。

「いやー、さすがペルちゃん我が息子!!やると思ってたよー!!」と勝利の祝福に現れるゼウス。「いやー、ワシもね、いろいろ陰ながら手伝ったのよ?剣あげたでしょ?ペガサスあげたでしょ?あと三途の河の渡し賃とかも…」と、これみよがしに恩を売るゼウス。死んだペルさんの恋人も(2秒で)生き返らせてくれました。

ちょっとまて。そもそもの原因は全部お前のせいだろーがー!!ペルさん!!そいつがラスボス!!

でも、宿敵ハデスは倒したし、カノジョも生き返らせてもらったペルさんはもうご満悦。そもそも、諸悪の根源がゼウスだなんてことは知らないので、観客の煮えくり返るハラワタのことなんかつゆ知らず、物語は大団円的なエピローグに。あー!ちっくしょー!腹立つわーこの映画!!っていうかギリシ神話むかつくわー!!

ギリシャ神話の神々は“人間よりも俗っぽい神様”を意図して描かれてるので仕方ないとか思うのですけど。

『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々』の感想”でも書きましたけど、いくら伝説上のオリンポスの神々が“意図的にDQNな奴らに描かれている”からといって、ソレをそのまんま現代劇に置き換えて観客が納得するかといいうと、それが思い違いですよ。どんなボンクラ映画だとしても、最低限のカタルシスは必要です。

少なくともラストでゼウス滅多刺しにするぐらいの原作レイプは必要だったかと思います。

ていうか、メデューサだって話きいてりゃ、ハデスにストーカーされて困ってアテナに匿ってもらってたら、それでも結局ハデスにレイプされて、怒ったアテナにより「二度と男に見せられない姿にされた」とか、どんだけ女性蔑視的な話だよ…。レイプされた少女の側が死刑にされるイスラム原理主義社会かよ…と。

ていうか、ゼウスは兄弟も含めてレイパーですか。伝説とはいえマジキチすぎます笑。

閑話休題。序盤で旧作に出てくる「メカ・フクロウ」がペルさんの荷物の中に入ってるんですけど、「なんぞこれ?イラネ。」ってペルさんにあっさり棄てられてしまいます。このメカ・フクロウ、旧作で「ウザいキャラ」として有名だったこともあり、本作ではリストラ対象なんですね。そういう細かく笑える部分は評価できますね。

ただし、その他の部分、特に脚本部分は“ご都合主義映画の真骨頂”とも呼べます。

例えば、森を歩いていると“そのへんにいきなり聖剣が落ちてる”とか。“テキトーにそのへんでペガサス拾える”とか。極めつけは、メデューサ戦中“唐突に鏡がついた盾が立てかけてある”などなど、他にも例を挙げるに暇がないくらいです。まぁ、そのおかげでテンポよくストーリーも展開するんですけれども。

なんていうか、60分で全クリできる「忙しい人のためのドラゴンクエスト」って感じですね。

苦戦したと思われる部分は、全てペルさんが「神々の手助けはいらない!」とか勝手に自己中かまして聖剣を装備せずに「どうのつるぎ」で戦う縛りプレイをしてたせいです。そのせいでペルさん以外の仲間は(恋人も含めて)一人残らず全滅しましたけど。その自己中っぷりからして神様的だってんですよ。

まぁ、仲間は何故か全員ツンデレなんですけど。「ゆうしゃ・ツンデレツンデレツンデレ」の構成。

最終的には、「ゆうしゃ・しに・せきか・せきか」状態でクラーケンとのボス戦を迎えるも、ペルさん圧勝。次いでハデスとのラストバトルも、聖剣を装備した(ていうか投げた)ペルさんによりほんの5秒で終了。巻き込まれた人間の王様死亡のご都合主義。「王様になりませんか?」「いいえ。その方がかっこいいので。」

なんやねんこれ笑。そして、前述のとおり真のラスボスは野放しのままエンディングへ。

そんなかんじで、ストーリーこそボンクラ極まっていますけど、3DCGとVFXを生かしたクリーチャーは流石と言うべきか。特に、『モンスターハンター フロンティア オンライン』に出てくる「アクラ・ヴァシム」と見た目どころかモーションまで丸パク…そっくりな巨大サソリとの戦闘シーンは圧巻です。素材から武具作るしな。