『感染』
『感染』日映画
2004年。落合正幸監督。
病院のダークサイドのありのまま映したら怖かった映画。
舞台は経営危機に陥った病院。
賃金の出ない不安、足りない医療器具、さらに業務に忙殺される医者や看護婦たちと、そんな病院と知らず訪れる患者たち、そして発生する医療事故をそのまま描くだけの序盤は、霊や怪物の登場なしに滅茶苦茶怖い。
ていうか、南果歩がしゃべるだけでもう怖い。
あと薄暗い病室や、医療器具など小道具なども、「ふつうの病院らしく」雑然と使っているところも演出の妙。富士急ハイランドの「超戦慄迷宮」もそうでしたが、病院の「厭な部分」をそのまま再現するだけで、生理的な恐怖を生み出せるんですね。
富士急のソレは待機部屋に埃かぶった「普通の薬袋」が落ちてて怖かったヨ。でも眼鏡で無表情で淡々と施設の説明をするスタッフ(看護婦姿)に少し萌え。
終盤以降は正体不明の感染症による「院内感染」をテーマにした、少々オカルトじみた話にはなってきますが、結果として出現する霊や怪物は人間の脳が生み出す産物である云々といった、唯識論な話になります。
「この世には不思議なものはどうした」とかいう系の話ですね。
正直、期待していなかった割には、好い感じの和製ホラー。
でも、コレだけで2時間以上あんぞ!もし劇場で観ていたら、同時上映の『予言』を合わせて一体何時間拘束されたんだろうかと考えると心底怖くなった。