『ファンタシースターユニバース』
『ファンタシースターユニバース』日ゲーム
国産ネットワークゲームの祖こと『ファンタシースターオンライン』の続編こと本作の発売は2006年2月16日。プラットフォームがPS2とWin同時発売という点も嬉しい限り。
昨今の『ファイナルファンタジーXI』『ラグナロクオンライン』などオンラインゲームのヒットタイトルの多くは、MMORPG(Massively Multiplayer Online Role Playing Game)という、要するに数百人から数千人規模のプレーヤーが同時に1つのサーバに接続してプレイする仕組みになります。
これらに先立った国内初のオンラインRPGである『ファンタシースターオンライン』は、MORPG(Multi-player Online Role-Playing Game)という、要するに数人単位で1つのサーバーに接続する仕組みでした。
『ファンタシースターオンライン』発売当時、すでに世界では『ウルティマオンライン』や『エバークエスト』といったMMORPGが主流になっていましたが、セガが初めてコンシューマーゲーム機で遊べるオンラインゲームのサービス方法にMORPGを選んだのは、とても懸命な判断だったと思います。
いきなり『ドラゴンクエスト』という国内初のRPGを出す前に、ライトユーザーにコマンド選択方式に慣れてもらうべく『ポートピア連続殺人事件』というアドベンチャーゲームを出した堀井裕二氏の戦略と同じです。
オンラインゲームを初めてプレイする国内ユーザーに、まずMORPGで数人からの仲間うちでのコミュニティ形成に慣れてもらい、徐々に世界を広めてもらおうといった、セガの狙いがあったに違いありません。
実際には、セガがその後MMORPGタイトルを発売することはなく、他社MMORPGタイトルである『FFXI』や『RO』がその恩恵を一手に引き受ける形となってしまったのは皮肉な話なんですけれども。
そんなセガが、次世代のオンラインゲーム提供の手段として選んだのは、なんと再びMORPGでした。
たしかに、現状あるMMORPGタイトルの多くは、知らない人同士で知り合ったり、ゆきずりの仲間で遊ぶには向いていますが、特定の知り合い同士などの小さなコミュニティでプレイするためには向きません。
逆にMORPGタイトル、とりわけ『ファンターシースターオンライン』は、数人の知り合い同士で、適当にわいわい遊ぶにあたっては極めて良いゲームシステムを持っています。
知らない人同士で気軽に遊べるMMORPG世界においては、逆に濃い人間関係が生まれ辛いと気づいてしまった多くのプレイヤーは、すでに一部の仲間内だけの小規模なコミュニティに固執するようになっています。
そういった、いわば閉鎖したコミュニティをまるごと引っ張り込むためには、このタイミングで高純度のMORPGの提供、つまり『ファンタシースターユニバース』の発売は、国内オンラインゲーム界に久々の大風となるのではないでしょうか。
ですよねセガさん?
とかセガを持ち上げてみましたが、実際のところMORPGはサーバーの維持費がMMORPGと比べ破格に安いのが選択の理由と思います。
ただ、最近そういった台所事情だけで生まれた国産MOの多くが、ことごとく失敗している、というか失敗すら予め見込んでいる作品が多いのに対し、今回セガが全力投球にみえるその点に大いに期待します。
今日は『FFXI』がメンテなので『アカギ』みながら長文たらたら。