てすかとりぽか

最近はポケモンのことを書く場所です。

『タイタンの逆襲』 性欲をもてあます神々

タイタンの逆襲

2012年のアメリカ映画。ジョナサン・リーベスマン監督。『タイタンの戦い』の続編。

前作『タイタンの戦い』がちょうど先週テレビでやってまして。映画館で字幕で観た時は微妙だった気がするんですが、テレビで吹替えでツイッターで実況みながら観たらなんか普通に面白いという。要するにパーティ向けのボンクラ映画だったわけですが、要約すると“だいたいゼウスが悪い”というお話。

で、本作も“だいたいゼウス(とその家族)のせい”で人間が酷い目に遭うお話。

ちなみに映画観て家帰ってきたら、ちょうどテレビで『ビッグダディ』がやっておりまして。こちらも“だいたい親父が悪い”って意味と、“ハック&スラッシュ系の映画”という2つの意味で本作と共通していますね。ていうかなんだ今日の茶番は。もうヤラセってわかってんだから、微妙に人死にぐらい出さないと観ないぞ。

“ヒグマと素手で死闘を繰り広げるビッグダディの運命やいかに!?”ぐらいの引きがないと無理。

閑話休題。本作も“ハクスラ映画”としては珠玉の出来だと思います。というか、こういう『ゴッド・オブ・ウォー』的な世界感の映画は“ハクスラ映画”と呼んで生きたい。雑魚蹴散らして、小ボスが出て、また雑魚蹴散らして、中ボスが出て、武器集めて、最後に超巨大ボスな流れとか。もういいかげんに(自主規制)

ていうか、よもやのゼウス(リーアム・ニーソン)萌え映画。

クロノスが攻めくるってんで追放した兄ハデスに共闘を求めるも、逆に囚われの身(お姫様繋ぎ)にされてしまうゼウス可愛い。で、息子のアレスにも裏切られハンマーでボッコボコにされると「ちょ!おま!アレスやりすぎちゃうん!?」って制しちゃうハデスにぃにぃも可愛い。

お前ら、ほんとは仲良しちゃうんか!?と。まぁ、結果的に仲良しなんですけど。

そんなうっかりパパと仲良し家族がたまに洒落にならないレベルの喧嘩をして、困るのは周囲の人間っていうのはギリシャ神話的で笑うところなんですけど。まぁ、巻き込まれる人間にとっちゃたまったもんじゃないです。小豆島に済んでる人達にとってもたまったもんじゃないです。それは何の話ですだよ。

「ゆくぞ兄者!一緒にせーのっ! かー めー はー めー …」ってやるところは一番ツボりました。

ちなみに神々たちがピンチになると、「こんなこともあろうかと、地上に子種をバラ撒いておいて良かった。」って言う設定もギリシャ神話的、『聖闘士聖矢』的で素敵ですね。主人公のペルさんも、紅一点のアンドロメダ王女にいきなりぶちゅーって。血は争えないですね。息子が見てる前でほんとお前…。

ていうか、ゼウスを筆頭に、ギリシャ神話の神々はほんとゲスいんですよね。

ただ、キリスト教でいう神と違って、ギリシャ神話の神様が人間以上に人間らしく描かれているのは意図的なものだそうです。だからこそ、こんなに後世に至るまで長く語り継がれ、エンタメの題材としても利用されやすいという所以でもあるんですよね。そういう意味では日本神話ももっとリスペクトされて然るべきとは思います。

ラノベの主人公みたいに性欲全くがないとかより、性欲のある人間を見ている方が面白いのです。

先日終わった『バクマン!』なんかも、要するに“処女厨が処女とセックスしたいという目的”を適えるための“手段として漫画を選んだ”という話であって、決して“漫画が目的ではない”という点の圧倒的気持ち悪さが、裏返すと“人間賛歌の物語”という意味では逆に素晴らしいという評論を見て、目から鱗でした。

ちなみに3Dで観たけど、3Dメガネ外し忘れて劇場出たぐらいの必要性でした。