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泥船てすかとりぽか

FC2ガ沈ムマエニ逃ゲダシマシタ。

『君の名は。』 感想

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amazonビデオで『宇宙~時空超越の旅~』というドキュメンタリーを観たんですが、タイムトラベルや多元宇宙みたいなSF概念を、物理学的にわかりやすくかつ割と雑に説明してくれてるんですね。『インターステラー』的作品の副読資料として最適と感じました。

ふと初見時はさほど気になっていなかった『君の名は。』における諸々に関してもやもやしはじめまして。Twitterでやればいいんですが、ネタバレもまだ気にしないといけない時期でもあるので、ほぼ2年ぶりにブログ側に書きなぐってみようかと。

あくまでもやもやした感想でさしたる結論や主張もあるわけでもなく、作品の理解が左右されるような話でもないですが、画像含めてネタバレ全開なのでご注意を。内容はあくまで劇場版を既に観られてる方向けです。

改行目的も含めて、今回参考にさせていただいたリンクも貼らせていただきます。

【参考ブログ】

ayihis.hatenablog.com
shinonomen.hatenablog.com
mintia01.com

既に時系列に関する(矛盾も含めた)考察や、量子力学相対性理論からの見地もいろいろありますが、今回の感想は“時間旅行”とりわけ時間を遡り過去に向かう“時間遡行”に関するもやもやです。

詳しくは後述しますが、“時間遡行”はSFとしてはメジャーネタであるにも関わらず、相対性理論などの古典物理学には割と相反する概念とされてますので、どうにかソレに頼らない作品解釈ができないものか?というもやもやです。

【一般的な作品理解のための時系列】

本作を観て“時系列”が気になる人にとっての認識は概ね↓図のような感じかと思います。入れ替わりによる時間遡行を挟むので、瀧くんの主観認識に基づく物語の時系列は、現実の時系列(ややこしい)とは別に①~⑤を振っています。

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瀧くん(2016)は、②で幾度となく“時間遡行”を伴う三葉(2013)との入れ替わりを行い、③で実際に飛騨に行き三葉の死を認識、④で更なる“時間遡行”と“過去改変”を行い三葉(2013)たちを救うため大きなきっかけを作ることになります。

しかし、この“時間遡行”を伴う“過去改変”いわゆるタイムパラドックスは、“親殺しのパラドックス(過去に行って自分の親を殺すと自分が消えてしまう)”や“未来から来た時間旅行者が観測されない”などの矛盾もはらむわけですね。

こうしたタイムパラドックスの矛盾を説明するために、「時間旅行者による過去改変があると時間軸が分岐し、元の世界と並行した別の世界が生まれる」とする“パラレルワールド”の概念が存在します。

この“パラレルワールド”の発想に類似したものに、量子力学の“多世界解釈”があります。「過去の改変が行われても素粒子レベルで世界の再構成が行なわれるため、結果としてタイムパラドックスは生じない。」という考えです。

↑図はこの“多世界解釈”に基づいて、瀧くんの行動が本来の時間軸Aから過去を改変し、時間軸Bが再構成されたことを示しています。しかし、これはエネルギー保存の法則エントロピー増大の法則・相対性理論等、古典力学の法則に相反してしまい完全ではありません。

「いや、そもそも創作だし…。」

って話は百も承知。別に物理学的な正しさを本作品に求めているわけではなく、あくまで個人的な趣味興味の範疇として、「“素粒子レベルの世界の再構成”とかなんか臭い“時間遡行”や“多世界解釈”に依らない作品解釈がないか?」というもやもやなのです。

【過去には行けないが、未来には行ける?】

過去に行くのは無理筋だけど、「“未来に行く”は可能」と最初に紹介した『宇宙~時空超越の旅~』で言ってました。具体的には、一般相対性理論による「高重力場では時間の流れが遅くなる。」に準じて、ブラックホールを利用するんだそうです。

ざっくり言うと、実在のブラックホールに行くなり、人工的なマイクロブラックホールを使うなりで高重力場をコントロールすることができれば、人為的に対象の時間の流れを遅滞させ、対象者は“未来に行く”ことができるという話です。

トップをねらえ!科学講座』でやってた、特殊相対性理論による“ウラシマ効果”でも可能です。光速度の99パーセントで進む宇宙船内の時計は、静止系の約1/7の速さで進むため、宇宙旅行から帰ってくると地球上では約7倍の時間が流れている。という奴です。

これら物理法則はちゃんと実験を通して証明もされ(原子時計ジェット機に乗っけて飛ばすと地上の時計とズレが出るとかね。)、GPS衛星の運用技術なんかにも応用されてるので、決してSFではないです。未来への時間旅行は実現可能ということですね。

【時間と空間は絶対的なもの?】

未来に行けることがわかると同時に「人や場所や条件によって時間の流れが変わるの?」という疑問もわいてくるかと思います。瀧くんと三葉も、2013年と2016年という、異なる時間の流れを共有しているので、その理解を進めるのにちょっと脱線します。

「個々人が認識している時間は絶対的なものなのではないか?」、「すべての人は“今”、2016年に生き、それを認識しているのではないか?」という、ごく一般的な我々の常識に関する説明をするために、“今”という瞬間を示した図が↓です。

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縦横高さの概念がある三次元空間、つまり宇宙の中に銀河系があり、太陽があり、地球があり、東京に瀧くんがいて、飛騨には三葉がいます。これは確かに全て同時に存在します。この空間を仮に写真のように切り取ったとすると、それが“今”です。

この“今”という空間が、舞台役者のようにステージに存在し、断続的にスポットライトが当たっていく流れを示したのが↓図です。ゲームやアニメで言う“フレーム”(静止画像の連続体が動画を形成している)と言った方がわかりやすいでしょうか。

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ブラッド・スコウ博士は、↑空間と時間を一つのブロックのように捉えた“時空間”に関して「時間が川のように流れているという考えは正しくない」、「時空間とは、過去・現在・未来がすべて一緒に存在する“ブロック宇宙”である」と主張しました。

マサチューセツ工科大学のこの偉い博士はさらに「未来は決まったものだ」といいます。そして「未来だけでなく、現在も過去も同時に存在しており、それらは時空間において散在した状態にある」といいます。

「決して過去が消えたり、未来が現在の場所を取ったりはしない。」「あなたが10年前に経験した事は、完全に過去の物という訳ではない。あなたと同じ空間に居るけど、スポットライトが過去から現在に移動してしまったから、過去という物に触れる事が出来ないだけ。」

この相対性理論と矛盾しない時空理論に従えば、瀧くん(2016)と三葉(2013)それぞれに同時に(っていうのも変だが)スポットライトを当てることができ、“時間遡行”という概念なしに同時にステージに立たせることが可能ではないでしょうか。

時間と空間が“必ずしも同時に流れていく絶対的なものでない”こと、また前述の“未来に行くことはできる”を併せて考えることで、物理法則に相反することなく『君の名は。』の“時間旅行”を解釈することができるんじゃないでしょうか。

【三葉主観で解釈を試みるも…?】

必要なのは、三葉の主観でした。

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前述の瀧くん主観と、三葉主観一番の違いは、“三葉は一度も死んでいない”という点です。死んでいないからこそ、三葉自身は“時間遡行”することなく(死んでたらできない)“2013年と2016年で瀧くんに干渉する”ことで物語を収束させます。

「三葉、自分の街が吹き飛んでる風景みてるやん?」

あれは“瀧(2016)の目を通じて視ている”ので、現実に三葉の体験ではありません。つまり“夢”であり、三葉自身は“死”を体感しているわけではなく、あくまで未来の自称を他人の目を借りて知ることで認識しているに過ぎないと仮定します。

三葉主観を考える上でもっとももやもやするのが、この“夢”と“現実”の差異ですね。三葉は“夢の中でのみ瀧(2016)の体感時間と完全に同期”しつつ、瀧(2016)と入れ替わっている”が、現実では三葉(現実2013)として生きているので。

三葉(夢2013)は瀧(2016)を通じて未来に行き、三葉(現実2013)は東京で瀧(2013)に会います。瀧(2016)は三葉(夢2013)と入れ替わることで、三葉(現実2013)に干渉しますが、三葉体感的に全て2013年の出来事なので“時間遡行”にはなりません。

三葉(夢2013)は瀧(2016)を通じて未来の自分の死を認識しますが、三葉(現実2013)は死んでないので、瀧くんのアレによって生き残れます。これなら古典物理学に反する“過去改変”も“パラレルワールド”も“多世界解釈”に基づく世界再構成も発生しません。

「でも、瀧くんは三葉(2013)の死を本で見てるやん?」

です…。これは瀧くん主観をなかったことにし、三葉主観だけで捉えないといけない無理筋ですね…。改めて、物理法則は無視した“時間遡行”“過去改変”“多世界解釈”モノのSFとして観るのがいいです。

重力場って何か関係ないの?】

今回一般相対性理論に基づく“未来に行く”解釈を考えた理由の一つに、「あの何回も同じ場所に落ちる彗星の理由と、時間旅行ってどっちも重力場に関係する話なんじゃないの?」とも考えたわけですね。

少なくとも、本作と重力に関する考察って全く出てないので、ほんとに関係ないんだろうとは思ってますが。「彗星と時間旅行が物理法則的なSF概念で繋がっていた!」って展開はアツいだろうなあと。勝手にもやもやしていた次第です。

ちなみに新海監督の『秒速5センチメートル』で宇宙探査機の速度が秒速何キロ云々話があったけど、あれは“観測者との距離と速度から生じる時間差=男女の時間認識差”という話だと理解したので、同監督作品的にも物理学ネタあるかなと。

量子力学からの視点】

ほんとはこっちもがっつり語りたいのですが。量子力学的にいう“不確定状況が確定する瞬間”と“そのトリガー”に関してはだいぶ意識して創られているなーと改めて思いました。「観測することによって、あいまいな生死が確定する例の猫」の話を持ち出すまでもなく。

「瀧くんが彗星落下事件を覚えてないのはおかしい」というよくある疑問も、逆に「よく覚えていないからこそ、入れ替わりの対象になったのではないか?」(観測・認識できないからこそ、不確定状況を生み出せる。)という解釈も可能になりますよって。

なんかだらだら書いてたら世が明けそうなので、今日もっかい観て来よう。

※追記
2回目観たら、劇中でてっしーがムー持ちながら「エヴェレットのマルチヴァース(多世界)解釈」ってヒントだしてました笑。

アニメ映画ベストテンに参加しますよ。

ワッシュさんという方が毎年企画されている企画へ参加してみました。

アニメ映画ベストテン - 男の魂に火をつけろ! <アニメ映画ベストテン受付中>

アニメ映画は割と話題になるものもならないものも、とりあえず観てはおこうというスタンスですが、中でも2桁以上再視聴してる作品が多く、10本に絞るのが大変でした。絞った上でランク付はもっと大変でしたが……。

1.アニマトリックス(2003年、前田真宏監督ほか)
2.機動戦士ガンダム 逆襲のシャア(1988年、富野由悠季監督)
3.GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊(1995年、年押井守監督)
4.新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に(1997年、庵野秀明監督)
5.マクロスプラス MOVIE EDITION(1995年、渡辺信一郎監督)
6.機動戦士ガンダム0083 ジオンの残光(1992年、今西隆志監督)
7.カウボーイビバップ 天国の扉(2001年、渡辺信一郎監督)
8.ジャングル大帝(1997年、竹内啓雄監督)
9.劇場版 STEINS;GATE 負荷領域のデジャヴ(2013年、若林漢二監督)
10.もののけ姫(1997年、宮崎駿監督)

以下、短評。

1.アニマトリックス

オムニバス作品の中で、『セカンド・ルネッサンス パート1・パート2』が病的に好き。特に人間軍と機械軍の全面戦争のとこ。トライポッド的な機械兵がパワードスーツこじ開けて中の人間を四肢ぶっちぎりながら取り出すとこ。ディストピア描写の極地。

2.機動戦士ガンダム 逆襲のシャア

冗談抜きで食べたパンの枚数よりも多く再生しているのは確かです。富野監督作品は基本どれも重リピート対象ですが、優先度的に一番高いのはこれ。次いでF91および初代三部作、新訳Z、地球光、月光蝶、接触篇、発動篇あたりも。

3.GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊

押井守監督作品の中ではやはり頭一つ抜けて好き。というより、他の押井作品は『立喰師列伝』と『ミニパト』以外はそれほど好きでもないです。『アヴァロン』以外の実写作品は本当に酷いと思います。ここまで作品により好き嫌いが分かれる監督もないですね。

4.新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に

新劇も当然大好きでヘビロテ対象なんですが、あの旧劇の頃のめちゃくちゃ鋭い刃物振り回してる感はもうないと思っているのです。なので、こっちです。自分が初めて劇場に何度も観にいった作品という思い入れ補正もあり。

5.マクロスプラス MOVIE EDITION

一番好きなアニメのシーンはプラスのサーカス。

6.機動戦士ガンダム0083 ジオンの残光

画面奥からデンドロビウム入るの時のBGMと、カタルシス描写の鳥肌。あと、シーマ様万歳。OVA版にいるヴァル・ヴァロがいないのだけ残念。富野監督作品以外のガンダム劇場版で唯一重複視聴ローテーションに入ってます。

7.カウボーイビバップ 天国の扉

スパイクのジークンドーがちゃんとジークンドーしている作画が観られる劇場版。あとは、ドッグファイトにおける機銃の射線描写。作画という意味では、劇場版アニメ作品の中でもこれと『マクロスプラス』以上に“尖った”作品は見当たらないです。

8.ジャングル大帝

世の中的に「泣ける映画」を馬鹿にする風潮があるみたいですが、とりあえずこれ観て泣かなかったら奴だけ「泣ける映画」に石投げていい。もう、ちょっと思い出しただけで涙腺ゆるんでくる。たまに、うっかり昼間テレビとかやってて泣きテロされる。

9.劇場版 STEINS;GATE 負荷領域のデジャヴ

2010年以降では唯一ランクイン。原作というより、テレビアニメ版視聴前提の映画なのでお勧めはしにくいですが。『バタフライエフェクト』とかタイムリープ系のSF話が好きな方は、ゲームでもアニメでもいいので、絶対一度は触れてみてほしい作品です。

10.もののけ姫(1997年、宮崎駿監督)

宮崎駿監督作品は好きだったりそうでもなかったりの中で、は、やっぱりこれ。こんな暴力的なアニメをあのトトロとかの後に作るわけでしょ。とんでもないですよ。で、もうないかーと思ってたらまたポニョあたりでやらかしてくれるわけでしょ。もう。



他には大友作品や細田作品がないので、全然10個に絞りきれないなーというの正直なとこ。『アイアンジャイアント』や『ヒックとドラゴン』などのハリウッド勢も含められていないので。『サウスパーク』も。海外は海外で別ジャンルとしてまとめたいなー。といったところです。

『東大卒プロゲーマー』ゲーム観戦が熱い

今、ゲーム観戦が熱い。

そもそも、「ゲーム観戦って何?」って話からだと思いますが、基本的には野球やサッカーのようなプロスポーツ観戦と同じです。テレビ放映こそないけど、ネット上の動画配信コンテンツで毎週末のように開催されている、ゲームの大会を観戦するのです。

ゲーム観て楽しいの?

「ゲームって自分でプレイして楽しむもんでしょ?」というのはもう昔の話。今やゲームもチェスや将棋、格闘技などのように競技ととらえ、観客が対戦する「エレクトロニック・スポーツeスポーツ)」と呼ばれて、世界的に爆発的な人気を呼んでいます。

人気ゲームでは世界大会が開かれ、賞金総額が1000万ドルに達するものもあり、プロスポーツ同様にその試合模様がテレビ放映されたり、eスポーツ専門チャンネルがある国だってあります。いまや、ゲームはショービジネスとして一大市場を築きつつあるんですね。

「やったことないゲームでも楽しいの?」という意味では、自分はちゃんとやったスポーツってサッカーと剣道ぐらいで、一度もやったことないテニスや、免許持ってないけどF-1観ますからね。ある程度ルールとセオリー知ってれば何でも観て楽しめるんじゃないかなと。

そもそも、今日本で一番熱いeスポーツ観戦は、対戦格闘ゲームストリートファイター』シリーズの最新作『ウルトラストリートファイターVI』なので、『ストII』をどこかで観たり触ったりしてたら、だいたいどんな競技かはおわかりいただけるのではないかなと。

なぜ、今対戦格闘ゲーム観戦が熱いのか?

ぶっちゃけ対戦格闘ゲームというジャンル自体は、ゲームという枠組みの中で見ても下火です。市場は完全にスマートフォンアプリが席巻してますし、そもそも対戦格闘ゲーム自体をプレイする敷居が高くなりすぎていて、新規参入が見込めない状況です。

そんな対戦格闘ゲームの観戦シーンはなぜ熱いのか?その理由は、既存のプロスポーツと変わらず、【客席】【役者】【舞台】の三拍子がようやく揃ったからと言えます。

【客席】

自分ではプレイしないが、ニコニコ動画などで観戦してコメントする観戦専門のファンのことを、色々な意味をこめて「動画勢」と呼びます。当初こそ侮蔑的な意味しかない呼称だったものの、今や国内のeスポーツ市場を支える優良顧客層として認識されています。

こうした背景として、USTREAMニコニコ動画をはじめとする、動画のライブ配信サービスの拡大があります。ただ、無料で視聴するだけでなく、有料ポイントを購入して、より価値のある動画を、より対価を払って視聴するという一般化してきたとも言えます。

「ゲームの大会を金払って観るの?」と、去年ぐらいまでは自分でさえそう思っていましたが、先日「第4期TOPANGAリーグ(A)(B)全23番組通し券」4,500円を購入し、毎週末その熱くて濃い試合内容にもんどり打ちながら視聴している次第です。

劇場映画2回分と考えたら、それほど高くもないですしね。

【役者】

対戦格闘ゲームに興味がなくとも、「ウメハラ」という名を聞いたことはあるでしょう。Amazon.co.jpの年間ランキングでKindle本新書1位に輝いたその著者こそ、今の格闘ゲームシーンを引っ張る筆頭プロゲーマーの梅原大吾氏です。

彼の格ゲー人生は漫画にもなってます。

ウメハラ To live is to game

ウメハラ To live is to game

さらに、初版1万2000部で2万部の増刷もあり、ベストセラー作家まったなしのときど氏。文化人としてトップクラスの人たちが、フレーム(1/60秒)単位の駆け引きを繰り広げているのが、今の対戦格闘ゲームシーンなんですね。

東大卒プロゲーマー (PHP新書)

東大卒プロゲーマー (PHP新書)

その他にも多数の有名なプロゲーマーや一般人の競合選手が排出されるようになったのも、つい近年の話ですが。SNS上で垣間見える彼ら一人一人の人となりがまた妙に魅力的なんですね。プロレスみたいにあえて悪役(ヒール)に徹するような人もいたりして。

プロスポーツ同様に、スター選手すなわち役者が揃ってきたわけです。

【舞台】

どんなにスタジアムが綺麗でも、スター選手がいても、プレイするスポーツが糞だったら糞。ただ、先日リリースされた『ウルトラストリートファイターVI』(以下、『ウルVI』)は、ゲームバランスが本当に素晴らしい。(全然文句がないわけじゃないよ。)

普通、スポーツだって「幾とおりもあるプレイスタイルの中で、その時強いスタイルにみんな偏るもの」です。対戦格闘ゲームも大会ともなれば「そのバージョンで強いと言われる2~3キャラしかいない」状況に陥ります。そんな状況は観てても面白くないですよね。

今週末実施される『ウルVI』の賞金制全国大会「一秋千撃杯」の決勝進出者の使用キャラは、見事なまでにバラけています。対戦格闘ゲーム大会の歴史は短くないですが、ここまでバラけているのは自分も初めて見ます。

何より、一般的にこのキャラは強い・弱いという認識「キャラクターランク」の中で、明らかに「終わっている」とされたキャラを使い、予想だにしない戦法で勝ち上がってきているプレイヤーが複数いるという、判官贔屓にも程があるシーン。

東京ゲームショー2014内で開催された『ウルIV』日本大会では、これまで「最弱」と称されることも多かった「エル・フォルテ」を駆るぺぺだい選手が、並み居る強豪やプロゲーマー相手に荒らしまくって見事優勝。

TOPANGAとニコニコ動画が主催する『ウルIV』のリーグ戦、TOPANGA LEAGUE 第4期 Bリーグでは、キャラクターランク最下層に位置するともされた「エレナ」使いのsako選手が、誰もが「まさか、その技にそんな用途が…」と絶句する戦法で全勝状態。

【客席】【役者】【舞台】の三拍子がようやく揃った国内のeスポーツ、今後どう化けるか期待しないではいられないですね。毎週のように何かしらの大会が配信されてますので、少しでもゲームに興味ある方でしたら、おすすめです。

『いきなり!ステーキ』食肉界のキリトくん

「いきなり!ステーキ」には肉マイレージがあるんです。

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そもそも「いきなり!ステーキ」とは、「ペッパーランチ」を運営するペッパーフードサービスが、主に都内を中心に破竹の勢いで店舗数を増やしている“炭火焼き”と“立ち食い専門”が特徴的なステーキチェーン。比較的安価で大容量の肉が貪り喰える店という認識です。

炭焼きステーキが立ち食いで安価に楽しめる「いきなりステーキ」に行ってきた - GIGAZINE

リブロースステーキが5円/1gで計り売りされ、300gで1,500円、500gで2,500円というお値打ち価格。

でも、実際300g以上の肉の塊を立ったままナイフで切って喰らうという行為は、予想以上に辛いです。体幹がよほど強くないと、肉のカットもままならないどころか、コーンをすくって食べることすら至難を極めます。逆に言えば、体幹トレーニングになりそう。

今流行りの?“肉ダイエット”の最適解とも言えるでしょう。(肉ダイエットというか、炭水化物抜きダイエットは実際体重減りはするんですけど、いろんなリスク抱えた減量法であることは忘れちゃいけないところ。)

時代は肉ダイエット 『いきなり ステーキ』新店に女子が挑戦 500グラムをペロッと - 週アスPLUS

立ち食いが辛いながらも、既に何度も通っているというか、2日に1度は通っている状態なのは、安いからだけでなく美味しいからです。そんじょそこらのステーキ専門店にはもう行けません。相応にデカイ肉をレア炭火焼きするだけで、こんだけ美味しくなるんですね。

そして、通いつめてしまう理由のもうひとつが、肉マイレージの存在です。

肉マイレージとは!?

マイレージとは、食べた肉の量(g)がそのままポイントとなるメンバーズカードです。たまったポイントに応じてカード自体も昇格し、来店時に出せば特典も付与されるというものです。昇格と特典の詳細は下記のとおりです。

3,001g以上でゴールドカードにランクアップ
特典1:昇格時に1,000円クーポン
特典2:誕生月にUSリブロース400g
特典3:毎回ソフトドリンク無料(1杯)

20,001g以上でプラチナカードにランクアップ
特典1:昇格時に3,000円クーポン
特典2:誕生月にお好みのお肉400g
特典3:毎回ドリンク全品無料(1杯)

これはまさに、肉好きに対する格付けのためのシステム。『聖闘士聖矢』で言う黄金聖闘士とかそういう世界。プラチナカード同士がぶつかり合うようなものなら、千日戦争と呼ばれる膠着状態に陥るか、双方消滅するかのどちらかになる。とかの世界。

だからせっかくなんで、このシステムのデータカードダス化を提唱したい。

データカードダス化して、各階級別のランキングや、日・週・月・累計別の総食肉量のランキング、店舗別や地域別のランキングを店舗やアプリ上で可視化してほしい。『Ingress』みたいにMAPアプリと連動して、個人対個人のオンラインフードバトルとかやりたい。

「あ、近くで500g喰ってる奴がいるなー。なら俺は700gだ!」

みたいな、ソーシャルゲームで言うところの対人対戦でリソースを消費をさせて追課金を促す戦術で、売り上げもうなぎ上るんじゃないかと。客は客でオンラインフードバトラーとして名を馳せたり、オンラインフードバトル界のキリトくんみたいにもなれる。

添え物のコーンを残すというギルティ故に“ビーター”呼ばわりされることもあれば、急に水を注ぎにきた店員の手をうっかりナイフで刺してしまい(あれマジで刺しそうになる。)“レッドプレイヤー”とか“デスガン”とか呼ばれるようになったりもする。

そんなこと考えながら美味しい肉が食べれます。おすすめです。

『アメイジング・スパイダーマン2』 MJと8Mileの向こう側

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『アメスパ2』の感想というか、もっと以前からモヤモヤしてたことを書きます。

旧作『スパイダーマン』シリーズのヒロイン、メリー・ジェーン・ワトソン(通称:MJ)を弁護します。

MJの名前でぐぐると“ブス”とか“うざい”という検索候補が出てきますが

もちろん演じるキルスティン・ダンストンがブスなわけはなく、男を転々としたり、金持ちの男になびいたり、ピーターよりも仕事を優先したりという点が、日本人的な感性としては、男女問わず「この性格ブスめ!」と認識されてしまうみたいです。

でも、彼女は親に問題がある貧しい下層の家に生まれながら、ニューヨークで夢を実現しようとする強い女性としても描かれています。その過程で男に頼ったり、男よりも夢を仕事を優先するといった姿勢は、アメリカでは単純に強いヒロイン像なんでしょうね。

と、自分は思ってたのですが、以後もそういう意見ほぼ見かけないので……。

さらに弁護の根拠を示すために『8mile』を持ち出します。劇中エミネム演じるラビットは、実家のある田舎の工場でバイトしながら、ラッパーとして有名なる道、即ち貧困とは関係のない“8マイルの向こう側にいくこと”を夢見ている青年です。

「女優として成功できなければ、ウェイトレスでもやるしかない。」
「8マイルの向こうに行けなければ、工場でバイトするしかない。」

という、貧困層や地方出身者の閉塞感は、自分も茨城のド田舎出身なのでよくわかります。『8mile』も『スパイダーマン』も10年以上前の作品ですが、当時からアメリカにおける格差や貧困問題に関してフィーチャーしていたのですね。

そんな折、日本でも同様に若者の閉塞感を描いた映画『SR サイタマノラッパー』が生まれました。こちらは、レコード屋もライブハウスもないサイタマ県北部のフクヤ市に住むニート青年が、世界的なラッパーになることを夢見る話です。

「ラッパーになれなければ、おっぱいパブでバイトするかブロッコリー作るしかない。」

単純な日常系コメディ映画として認識されてしまいがちだった本作でしたが、地方出身者特有の閉塞感を経験している自分的には、魂にグッと来るものがありました。ほんともう、今の地方経済の逼迫され方はどうしようもなく、ウチの田舎もジャスコがなくなりました。

最近になってようやく“マイルドヤンキー”や“ファスト風土”という形で、一般的にも認識されるようになった地方独特の消費文化圏ですが、それによってようやく“8マイルの向こう側にいくこと”の意味も、一般的に理解されるようになってきていると感じます。

同時にMJのような“貧困や格差をものともせず、社会でのし上がる強い女性”に関しても、この10年間で日本人の理解が進んだのでは?と期待はしているのですが、『アメスパ2』が公開された今年に至ってもMJ再評価の声は起きず……。

「グウェンかわいいよねグウェン!」

の声ばかり聞こえてくるので、本日愚論を展開させていただいたわけでございます。でも、実際エマ・ストーン演じるグウェンがクッソかわいいので、MJのこととか小難しいこと考えずグウェン見にいくためだけにお金払う価値はあると思いますので、おすすめです。

『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』シネフィルVS映画クラスタ

シネフィルVS映画クラスタみたいな話を先日みかけまして。

自分の観測範囲では「うん、わかるー。」って声はあまり見られず、「そもそも、シネフィルの定義って何?」「映画クラスタの定義って何?」って意見が多く、自分も概ね後者に同意してました。

そこに先日また排外カウンターVSサブカルクラスタみたいな議論が見られましてですね。

自分のTwitterアカウント内では、政治リストと映画リストが突然論争をはじめたので、興味深くあったのですが、論争の内容には今は触れません。ただ、そこで「サブカルクラスタって何よ?」って声がぽつぽつと上がってきましてですね。

厳密にサブカルの定義をしようと思えばできます。シネフィルだって映画クラスタだって、その傾向とかちゃんと調べて定義しようと思えばできます。ただ、そうした確認なしに「なぜサブカルクラスタとされた人達がいたのか?」は気になるわけです。

単純に、Twitter上のサブカルまたはそれに類するリストの人達が議論に参加していたからじゃないのかなあと。Twitterの「映画」リストに分類された人達が声を上げていたから「サブカルがー」「映画クラスタがー」と認識したのではないかと。

シネフィルにしても映画クラスタにしても、自称してる人は“あんまり”いません。

自称する人が少数いたとしても、日本シネフィル協会や映画クラスタ連盟やサブカル認定試験があるわけでもないので、明確にカテゴリ別けはできないわけですよね。いや、「実はもうある」とかでしたら無知で申し訳ないですけど。

つまり、こうしたクラスタとは、他律的に規定されるものではなく、個々人が自律的に対象をカテゴリ別けした結果に過ぎないんじゃないかなあと。もしくは、他人がカテゴリ別けした結果を自律的に判断し、信用しているだけなんじゃないかなあとも。

ちなみに今の自分のTwitterアカウントのリストを例示しますと。

  • ニュース
  • 政治
  • ゲーム
  • 映画
  • 友達
  • ウル4

そこで今回、政治リスト内の排外カウンターの人達と、映画リスト内の(言い方に御幣があるかもですが)攻撃性が高くサブカル臭の強い人達の間で論争がはじまったので「排外カウンターとサブカルの論争がはじまった!」と誤認したわけです。

そう、これ誤認なんですね。

そのリスト内の全員がその論争に加わったわけではない、むしろ参加しているのはリスト内でも数人なのに「クラスタ間で論争が起きている!」と誤認してるんです。そもそも、そのリスト自体自分で勝手に個々人をカテゴリ別けしたものですしね。

もう一つ例を出すなら、ウル4リスト(自分が好きな格闘ゲームウルトラストリートファイター4』に関連する人、とりわけプロゲーマーの人達をカテゴリ別けしてる)上で、ものすごい頻度でグラビアアイドルの自撮り写真がRTされくるのですが。

これを見てプロゲーマーの人達はグラビアアイドルが好き。というのも誤認です。

実質RTされているのはその中の3人ぐらいなのですが、そのあまりの頻度の多さに加えて「プロゲーマーのような好戦的な職業の人は、やっぱり肉食系なんだなあ!」という良くわからない根拠も勝手につけ加えて納得していた自分がいたんですよね。

つまり、「シネフィルがー」とか「映画クラスタがー」という話も、そういうことなんじゃないかなあと思ったわけです。あくまで、自分個人の主観に基づく印象論ではありますけど、「クラスタってそもそも何だろう?」という一つの答えとして。

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で、『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』の話ですけど。

キャプテンアメリカは、戦中プロパガンダヒーローとして枢軸国と戦い、戦後も赤狩りの象徴として共産主義者と戦った、いわば善悪二元論を象徴する様なヒーローで、前作『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』も割とそういうのでしたが。

それ故に、枢軸国サイドであった日本からしてみれば、「7、80年前、君たちのおじいさんやひいおじいさんを無残に殺して勝ち誇ってた野郎だぞ」みたいな批判も出てくるほど、本来はあまり気持ちよく応援できるヒーローではなかったりもします。

映画『アベンジャーズ』の主人公に黒歴史…日本人を次から次へとひねりつぶしていた/少し考えてみる戦争のこと

ただ本作は、もはや善悪二元論で語ることが難しい現代(というかストーリーテリング論として善悪二元論がもはや古臭い)において、キャップ自身が「正義って何?」と思い悩み、味方からも銃を向けられるといった、極めてセンセーションな話なんですね。

その本作の精神は、共同監督のアンソニー・ルッソのインタビューに現れています。

「我々全員は無人機による攻撃、先制攻撃、オバマが誰を殺すかの人権問題といった疑惑に関する記事を読んだ。我々はそれが(キャプテン・アメリカの)グレイテスト・ジェネレーション的な発想とは正反対であったので映画に取り入れたかった。」

先のクラスタ論争にもつながる話ですが、もはや「アメリカ人だから」とか「日本人だから」、「ヒーローだから」とか「ヴィランだから」、「敵だから」とか「味方だから」で簡単に計れる時代じゃないってことを、キャップ自ら全世界に呼びかける映画なんです。

そこまで小難しく考えず、「ウィンターソルジャーかっけー」だけでも十分愉しめる作品ですが、自分がどっちを向いてるのか?誰と何と戦っているのか?を自問して、俯瞰して見つめなおせるようになるという意味でも、おすすめです。

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』この泥船を漕いでゆけ

FC2ブログが沈む前に逃げ出して来ました。

いや、いきなりデータ全消しみたいなことはさすがにないとは思うんですが、資金決済法上で規定されている、前払式支払手段に対する消費者保護目的の供託金とかたぶん払ってないんだろうね。とか無料ブログのデータなんていつ無断で飛ばされてもおかしくはないでしょうねとか。

いろいろ心配が重なったので、この機にはてなブログの方に。とはいえ、1年以上更新してなかったりもしたので、別にこれからちゃんと更新したりするかどうかもわかりません。更新してた目的も主に老後の愉しみとして記録しときたいとかそういうレベルですので。

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で、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』観て来ました。

事前に「これは俺ら40代以上の男がターゲットだから、若いやつらや女子供が観てもわかんねーよな。わかんねーよ。」とかサブカル糞団塊ミソジニー選民思想に染まった上から目線の評をツィートで偶々目にしてたので、ぶっちゃけ「嫌な映画だなあ」と思っていました。

「あれ?キミもしかして、最後に出てきたアイツのこと知らない?」
「カーッ!知らなかったかー!知らなくても仕方がなかったかー!カーッ!」

みたいなね。もうね。

実際観てみて、年代的に限定された音楽とか、原作に通じてないとわからない部分とか、英語で聴かないとわからないジョークとか、そういうのに溢れていたのは確かです。後からwikiみて「あー、そういうことなのね。」とわかるレベルのネタも少なくはなく。

「でも、木がカワイイからいいよね。木。」

という総括でした。アライグマは、そんなでもなかったですけどね。

ちなみにテレビアニメ『ディスク・ウォーズ・アベンジャーズ』にも本作の主人公5人が出てきてたんですが、地球に墜落した宇宙船から最初に出てきたグルートに驚いたシールドの一般兵が、ついうっかり火炎放射器をぶっぱしてグルートを焼き尽くしたりしてました。

焼き尽くされて、ただの棒っきれにされてました。

地球が静止する日』でも、宇宙船から出てきた宇宙人についうっかり発砲というおまぬけシチュエーションがありますが、そもそもオマエなんで火炎放射器もってきてんだよ。それでどうなったかを言うと映画の方のネタバレにもなるので言いませんけどね。

とりあえずグルート観るためだけでもお金払う価値あります。おすすめです。