泥船てすかとりぽか

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『放送禁止』 まとめ

ようやく全話観ることができたので、とりあえず感想とかまとめておきたいと思います。このシリーズの「何がどう面白いのか」とかは、先日書いたので今回は各話の概要と感想だけ書いときます。

核心部分のネタバレはしませんので、是非とも興味のある方はDVD借りるなり、一部「Youtube」にも上がってるので観てみてください。リンクも貼っておきました。いつ消されるかわからないけど。あと画質悪いので、謎解きをするには不向きだけど…。

そもそも、好みが別れるタイプの映像作品なので、とりあえず一番シリーズのコンセプトがわかりやすい『放送禁止2』を観てみてるのが好いかと思います。面白いと思ったら、他もおそらく楽しめます。「ハァ?何これ?」と思った人は、それ以上観てもしょうがないです。

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放送禁止』(Youtube 1/2/3/4/5
とある廃ビルに肝試しに訪れた若者数人が、その後次々と失踪するという事件を扱う心霊系ドキュメンタリー。取材を進めていくうちに、失踪事件には超常現象や宗教団体など、アレな感じの話がつきまとっていることがわかり…。

以下感想。微妙。コンセプトは面白いんですけど、役者へたくそすぎ!最初は意図的なのかな?って思ったんだけど、後の作品も観た結果、普通に下手だったんだと理解…。謎解きの要素も、かなり「?」が残ります。なので最初に観るには不向きかなぁ。

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放送禁止2 ある呪われた大家族』(Youtube 1/2/3/4/5
よくTBSとかでやる「○男○女の大家族!」みたいなドキュメンタリー。はじめこそ、仲睦まじい大家族の風景にほのぼのしているものの、徐々に不穏な空気に…。家族の中で相次ぐ怪我、家庭内暴力、そして心霊写真…。いつのまにか心霊ドキュメンタリーに…。

以下感想。これ個人的に一番好き。何より、このシリーズのコンセプトが非常にわかりやすい。何も知らないでこの作品を観てたとしても、たぶん笑い転げていたと思う。謎解きの要素も『名探偵コナン』並で、普通に観てても難なく理解れます。

母「隠し味は?」
長女「オッケー!バッチリ!」

ここのやりとりが面白すぎる。

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放送禁止3 ストーカー地獄篇』(Youtube 1/2/3/4/5
よくテレ朝とかでやる「ストーカー被害!密着24時!」みたいな。毎夜毎夜ピンポン連打されるというストーカー被害に遭う女性と、その被害の実態を追うフリーライターが遭遇する怪異。ストーカーの正体を知り、過剰に怯える被害者。その理由とは…。

以下感想。ストーカー怖いですよ。何が怖いって、ストーカーはよもや自分がストーカーだなんて思わないから。というか、純愛と偏愛は360度廻って紙一重なんですね。

ちなみにこれは、自分のリアル話ですが。とある友人は、好きな娘の写真をその娘に黙って撮ってたんだそうです。隠し撮りですね。でも、流石に悪いことをしたと思ったのか、その写真に下記の手紙を添えてその娘の自宅ポストに投函したんだそうです。

「今まで隠しどりしててごめんなさい。」

ちょ、それドSすぎるだろう。

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放送禁止4 恐怖の隣人戦争』(Youtube 1/2/3/4/5
よく朝のワイドショーとか「こたえてちょーだい!」でやってるような、ご近所の迷惑おばちゃんを扱ったドキュメンタリー。でも「引越ーしっ!引越ーしっ!」のアレが可愛くみえるようなドス黒い展開が待ち構えております。「呪殺ーっ!呪殺ーっ!」

以下感想。ご近所トラブルも国際戦争も、結局根源的な理由は同じ。言葉が通じないから。使用言語が違うとかでなく、言葉の意を互いに介せない限り、争いは必ず起きます。「主は言葉を乱された」とは、言語を多分化したという意味だけではないのです。

個人的に「怖さ」って意味では一番怖い話だと思います。ホントにこわいのは霊とか呪いとか形而上のものなんかじゃなく、それを使役するにんげんのこころなんだなぁ。みつを。

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放送禁止5 しじんの村』(Youtube 1/2/3/4/5/6
「しじんの村」は、元小学校教師でハンドルネーム「しじん」さんによって、社会に適応できない人々を「救済」するために、山奥に作られたコミュニティ。そんな今にも「NHKの教育ヒーローがなんか体を伸ばしてパワーを溜めに来そうな」場所を取材したもの。

以下感想。フェイク(嘘の)ドキュメンタリーとして視聴者を騙すという意味では、異常にクオリティの高い一話。言い方はちょっとアレですけど、「それ系の人の発する独特のオーラ」というか、そういうものが完全に演技で再現されています。

「番組を観た人が創作と知らずに、テレビ局に苦情の電話をかけてきた」という伝説を信じるに足るデキだと思います。ことの真相に至ってからも、何度も観なおして確認し、「あぁ!この場面でこの表情かよっ!」と嘆息したものです。

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放送禁止6 デスリミット』(Youtube なし)
DV(ドメスティックバイオレンス:配偶者間家庭内暴力)を扱ったドキュメンタリー。夫からの暴力に悩む妻は、ドキュメンタリーを単身製作するフリーライターに依頼、隠しカメラによりその実態を記録しようと試みる。しかし、妻が頼ったのはカメラの力だけではなく…。

以下感想。一番最初に観た話だったので、正直最初は「ハァ?何これ?」って思ってたんですが、終盤「あなたには真実が見えましたか?」のテロップが流れた瞬間に、この作品のコンセプトを理解しました。ここから、真実を求める旅がはじまったのです。

ただ、実はこの6話だけは、まだ未完なんですね。『放送禁止 劇場版』への布石らしいんです。それを観ないと本当の真実にはたどり着けないんだそうです。ちっくしょう!つい先日、都内での上映終わってるじゃんか!DVDまで待つしかないのか!

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このシリーズの面白さについて補足しておきますと、探偵小説のようにちゃんと「犯人」が用意されてて、「犯人探し」ができるわけです。ただ、その犯人というのは劇中で犯罪を犯した人のことではないです。その「映像製作の目的」を意図する人間のことです。

普通に考えれば、ドキュメンタリーの映像作成の目的は、「テレビ番組として放送すること」・「視聴率をとって利益を得ること」・「番組を通して視聴者に何かを訴えること」です。その動機を持つのは当然製作スタッフであり、この作品の映像も「表向きは」そうやって作られています。

でも、このシリーズの映像は、結果としてそのドキュメンタリーは「放送する」というスタッフの目的を達せられず、お蔵入りになってしまったものばかり。それじゃあ、誰もその「映像製作の目的」を達成なんかできていないんじゃあ?

否。どの作品にも「その映像製作の過程で自身の目的を達成した人物」がいるんです。その映像がテレビで放映されることがなかったとしても、「その撮影が行なわれたことだけで得をしている人物」がいるわけです。そいつを探すのが「犯人探し」にあたるわけです。

そして、何よりすごいのは、そんな「犯人探し作品である」という解釈も、このシリーズを語る上でのほんの一説に過ぎないということ。巨大掲示板や動画共有サイトSNSやブログなどネットの力を借りて、途方もない数や形の解釈が生まれているわけです。

万人が共有できるようなエンタメ作品でないのは確かですが、個人的には絶賛大リスペクト中です。とりあえず、映画『ノロイ』や『裏ホラー』、『ほんとにあった!呪いのビデオ』シリーズなんかが好きな人とかは確実に楽しめます。

あと、『崖の上のポニョ』を観て、ホラーな解釈を持てるような人も。