『ゾンビ』
『ゾンビ』米映画
1968年。ジョージ・A・ロメロ監督。
今、ミサイルが飛んできて世界が滅茶苦茶になってしまえばいいのに。
日頃そんなことばかり夢想して鬱々としていた自分にとって、
特に期待もせずにレンタルして観たこの作品は晴天の霹靂でした。
考えうる最悪と最好が全て詰まった世界がそこにはありました。
自分以外は全て「生ける屍」イコヲル「敵」である。
生きるために敵を撃って殺さねばならない。
敵を排除することで手に入る生。
そして守るべき居場所。
生物としての本能に基づいた行動ができる世界。
隣人を合理的かつ正統な理由で殺すことが許された世界。
「ゾンビ」に溢れてしまったこの狂気の世界は、
「指輪物語」の中つ国や、
「ドラゴンクエスト」のアレフガルドよりも、
遥かに近くにあるにも関わらず辿りつけない理想郷。
てか、そんな世界に憧れるというか、
この映画好きな人って、みんな対人恐怖症ですよね。
ゾンビがでたらどこにどうひきこもろうとか考えるの楽しいですよね。
むしろソンビがでてもでなくても、既にひきこもりですよね。
そんなジョージ・A・ロメロ監督によるひきこもり映画三部作、
『ナイトオブ・ザ・リビングデッド』
『ゾンビ(ドーン・オブ・ザ・デッド)』
『死霊のえじき(デイ・オブ・ザ・デッド)』
の正統な続編『ランド・オブ・ザ・デッド』を明日観にいきます。
でも正直、CMの感じみる感じでは感じ微妙。
ネームバリューに頼ったただのB級アクションホラーになってそう。
それでも観るのは『ゾンビ(ドーン・オブ・ザ・デッド)』を初めて観たときの衝撃を覚えているから。今後の人生で、アレ以上の衝撃を味わう映画が出るんだろうか。と思いつつ今日も映画を観ています。