てすかとりぽか

最近はポケモンのことを書く場所です。

『新しいお金』

新しいお金 電子マネー・ポイント・仮想通貨の大混戦が始まる

高野雅晴著。アスキー新書より。
SuicaとかPasumoとかEdyとかマイレージとかビックポイントカードとか『FFXI』のギルとか『セカンドライフ』のリンデンドルとか、現金という形がないにも関わらず、現金と相互乗り入れができる通貨が近年急激にふえてきました。そんな「新しいお金」のはじめてやこれからに迫るお話。

そもそも決済の利便性を考えたり、サービスの一機能として生まれたはずの電子マネーやポイントや仮想通貨が、もはや現金の存在を駆逐する勢いで成長しているらしいです。だって、便利だもんPasumo。今日秋葉原まで行くのに私鉄を2つも乗り継いだのに、カードだけですんじゃうんだもん。3年前に香港で「オクトパスカード」使ってスゲーと思った未来に、ようやく日本も追いついた感じです。

でも、なんでどこの企業も今必死になって「自分の会社のお金」を作り、そのシェアを広げたがっているのか。要は、自分の会社で発行しているお金のシェアが広がれば、その価値は現金に近付いていく、そうなれば自分の会社が「銀行」と同じ機能を持つことになる。すなわち、みんな「自分の会社を銀行にしたいから」電子マネーやポイントや仮想通貨で戦争をおっぱじめているらしいのです。

その考え方を知って、はじめてリンデン・ラボ社が『セカンドライフ』で何をしたいのかがわかったような気がします。そもそも『セカンドライフ』を開発・運営することで、リンドン社が何をもって収益を得ようとしているのかが、ずっと謎に思っていたので。ちなみに現在リンドン社が『セカンドライフ』において収益を得る手段は以下のとおりと考えています(素人なので間違ってたらつっこんでください笑)。

1)プレミアムアカウント会員からの課金による収益
2)メインランドの土地の売買および維持費徴集による収益
3)プライベートSIM(サーバ)のレンタルによる収益
4)リンデンドルの発行と為替取引による収益

まず、1)について。プレミアムアカウント会員は月額9,95$の課金を行うことにより、週300L$/週つまりおよそ月額1,500L$を受取ることができます。1,500L$は現金換算でだいたい7$ぐらいです。そうなると、単純計算で月額課金によるリンデン社側の収益は、プレミアム会員ひとりにつきたった3$程度とということになっちゃいますよね。日本円になおすと月額400円のオンラインゲームで、かつ支払いは任意なわけです。そう考えると、月額課金で収益を出すスタイルではないということですよね…。

2)について。そもそもメインランドの土地は今でこそあんなに高いですが、あれは最初リンデン社側が二足三文(500L$/512平方m)ぐらいで売った土地を不動産業者が買い占めて転売してるだけなので、そもそものリンデン社側の利益なんてほんと雀の涙程度でしょう。そもそも、そのメインランドの新規土地販売ですら現状休止してるようなもんなので、これで収益を得るつもりがないのは明白です。維持費だって、そもそも多額の維持費を払う程メインランドに土地持ってる人なんてそういないですし…。

3)サーバ(SIM)のレンタルによる収益。一番現実的な商売としてはコレなんじゃないかと思ったんですが。1つのSIMにつき月々数万円とれるわけですしね。でも、変な話で、個人相手でも大企業相手でも一律同じ料金しかとってないということ。ふつうだったら、大企業が「1億出すから、一番いい場所よこせ!」って言って、無理矢理個人の島を排除して、大企業大陸が生まれることでしょう。リンデンはそんなことしてないんですよね。というかもう「サーバプログラムをオープンソース化する」とまで言ってますから、そもそもそんなことしたら、誰でもサーバ建ててそれをレンタルできちゃうわけで、自社による独占収益なんか見込めないじゃん!なので、これもまた収益を得る手段としては違うような気がします…。

4)リンデンドルの発行と為替取引による収益。要は、プレミアムアカウント課金も、土地の購入も、リンデン社の管理運営する「リンデンドル」を買っていることにかわりはないんですよね。つまり「リンデン社に預金している」ということにもなるし、「リンデン社に投資している」というともっとわかりやすいです。その現金との交換レートは、ユーザーが増え、リンデンドルの需要が高まれば高まるほどあがります。要は株券のように、本来タダ同前の「データ」に価値を生み、値を上げ、それを売ることによってその差益を得るということです。

この収益の手段は、ある事件にたとえると非常によくわかります。先年、ガンホーオンラインエンタテインメントという会社が運営するオンラインゲーム『ラグナロクオンライン』において、スタッフが上司のパソコンに不正にアクセスし、ゲーム内の自分のキャラクターに仮想通貨を生成。それをRMT業者に販売するという行為によって、2,000万円相当の利益を得ていたというものです。

あくまでそのスタッフが逮捕されたのは「上司のパソコンに不正にアクセスした」ということが理由で、仮想通貨を生成したことや、それを販売したことは刑法上何の罪にも問われませんでした。(民事上の告訴はされましたけど。でも会社は「目に見える損害」は何ひとつ被って無いので、損害賠償請求は通らないでしょう。)つまり、それを権限のある上司がやって、それを利益として会社に計上してたら、刑法上は何も問題がなかったわけですね。どっちにしてもユーザーにとっては最悪でしょうけど。

つまり仮想通貨を扱う会社は、その価値を高めることによって銀行の役割を持つことも、造幣局の役割を持つこともできるようになるわけです。ほとんどのオンラインゲーム運営会社は、そういった役割が生まれてしまうことすら想定していなかったでしょう。ここで方向転換し「RMTを許可するオンラインゲーム銀行」の道に進む会社、「RMTを禁止しあくまでもオンラインゲームサービス」を継続する会社に分かれています。実際に収益が大きいのは前者ですが、そもそも想定されてない仕様を持ち込まれてゲームとしてはボロボロです。自分はそんなゲームはやりません。

しかし、リンデン社だけは、最初から「銀行」や「造幣局」になるために、その形での収益とサービス品質を両立させることをあらかじめ想定して『セカンドライフ』を生み出したのではないかと考えます。だって、そうでも考えないと慈善事業かなんかと思える程、自分みたいなタダゲー厨には金がかからない割に面白いゲームだし、企業にとっては格好のお金儲けの場所になってるんですもん。

みたいなことを日々妄想してます。パソコンが壊れて『セカンドライフ』にインできないだけでここまで追い詰められるとは。でも「筋肉の超回復効果」と同様に、ちょっと休むのは創造力を生む上でとても重要なのかもしれない。

というわけで、今日は秋葉原(リアルのほう)の大ヨドバシカラに行ってきました。
スペック的に条件を満たしているのはシャープのES-TG70Fで69,800円。
やや型落ちではあるけど、東芝のVA-FV550は54,800円。
でも、主流はもうななめドラム式なんだよね。
16万円かあ。まじ悩むなあ。
乾燥機付洗濯機。