てすかとりぽか

最近はポケモンのことを書く場所です。

『セカンドライフ』 Chiyo Lindenさん

本日『セカンドライフ』にインしたら、お友達からお呼びをいただいたので飛んでみると。
20070120201.jpg

おお、これが噂に聞きし「オフィスアワー」ではないですか。これは、運営会社であるリンデンラボ社のスタッフが、週二回(水・金 20:30〜21:30)Japanese learning Centerを訪れて、ユーザーとお話をしてくれる機会なわけですね。

ちなみに、お友達の一人が何故だかアカウント停止されて、リンデンラボ社に問い合わせを行っても、その理由があいまいなまま数ヶ月経過してるってことがあったので、じゃあ直接聞きに言ってみようってことになり、グループのみんなで押しかけたということです。

自分は途中参加でしたので、話の全容を理解してるわけではないですが、本日担当されていたChiyo Lindenさん(写真真ん中上の方に寝てる生物。リンデンのサポート担当者は苗字がLindenになってます。GMみたいなもんですね。)はちゃんとお話を聞き、しっかりとした受け答えをしてくれました。

問題の件は今後も引き続き話し合っていくということになりましたが、あんだけ悪い悪い言われてるLindenのサポートの人とは思えないぐらいまともな対応でしたので、ちょっぴり意外でしたよ。ほんと「うせーぼけー」とか言われて全員Banされるかと思ってました。

というか、話してる間も「裏でメールのサポートもしてる」って言ってたぐらいなので、我々の想像を絶する激務の中で話をしてたんだろうなあと思います。ていうか、平日とはいえこのログインピークタイムに日本語サポートが一人しかいないの?しかもメールサポートも掛け持ちとか考えたら、IM(インスタントメッセージ)の返事が遅れたり、メールの返事がいつまで待ってもこないとか普通にありえる話です。

かくいう自分も、数年前某オンラインゲームの運営業務をやっていた時のこと。ユーザー数数万人を抱えたサービスの運営人員がたった3人とかそういう状況の中、運営企画とサーバ管理とデバッグローカライズとWEBサイト製作とユーザーサポートとその他諸々を全てその3人だけでやっつけたりしてました。

その業務の中から、ユーザーサポート一つだけ取りあげたとしても、常に一人でゲームの中に常駐し、ユーザーからのメッセージに対応しつつ、裏で膨大な数のメールへの返信をしつつ、電話対応もしつつ、サーバを上げたり下げたりしつつとかもうそういう状況。

で、そのメッセージも同時に10人とかから来るわけですよ。中には「こんばんわー。何してますか?」とか挨拶程度のものもありますが、当然「不具合なんとかしろ」とか、しかるべき丁重な対応を必要とする案件がほとんどを占めるわけです。結局どのメッセージも疎かにできない中で「今から自殺します」とかマッチョなメッセージが届き、「いや、俺が死にたい」って言いたいのを必死でこらえて対応するわけです。

Chiyo Lindenさんも、おそらくそういう状況なんだな‥っていうのがひしひしと感じられたので、少なくとも彼女(?)に関してはがんばってくれてるんだ、素直に応援したいと思いました。

でも、万一彼女(この際中の人は男でもいい)が過労でダウンとかしたらどうなるんだ?とか考えると非常に不安です。じゃあどうしたらいいのか?これはもう、素直にリンデンラボ社がサポート人員を増やすしかありません。

ただ、これはどの会社でも言えることですが、人を増やすってことはそんなに簡単なことじゃないです。お金がかかりますからね。「忙しいから人増やしてくれ」っていうのは「言った社員の怠慢」としか扱われません。

人を増やすためには、それなりの根拠を示す必要があります。要はサポート人員が足りないことで発生する会社への不利益を明確に示せればいいわけです。例えば「サポートに不満があるから退会したユーザー数とその他の理由での退会者数の対比」を調べてプロジェクトの上司につきつけるとか。

当然、そんなことは優秀なChiyoタンなら既にやってるんだと思いますけれど。それを抜きしても、リンデンラボ社が『セカンドライフ』の運営にかける労力は少なすぎやしませんか?と。スタッフ一人一人のがんばりは見えるのに、上からのバックアップがあまりにも疎か過ぎやしませんか?と。

「アメリカだからサポートに金をかけないんだよ」って声もありますが、そう簡単に言い切れはしません。少なくとも世界一のユーザー数を誇るオンラインゲーム『World of Warcraft』はサポートの良さに定評があります。アメリカって実益主義ですから、「サポートが良ければユーザーが増える」って根拠さえあれば、そこに惜しまずお金を投入できるはずなんですよね。

そう考えると、リンデンラボ社が『セカンドライフ』のサポートにお金をかけない理由は二つだけ。「本当にお金がない」か「お金はあるがサポートにはお金をかけない」だけです。

「本当にお金がない」は、実際に自分がその運営会社で聞いた言葉なので現実味があります。要はいくらユーザーがいようが、サービスとしての収益性が低ければ、それなりのサポートしかできないってことです。『リネージュ2』のサポートの評価が高いのは、単純に値段が高くて(月3,000円)収益性がいいからですね。

特にリンデンラボ社の場合、『セカンドライフ』で儲かっているのかどうかって全然よくわかりません。基本無料だし、アイテム課金してるわけでもないし。それ以前に、儲けようとしている意志があんまり感じられません。ラボ(研究所)っていうぐらいだから、オープンソースメタバースの実験だけできればそれでいいじゃんて意向も感じられます。

そう考えると、「本当にお金がない」というか「お金を稼ぐ必要がない」ために「サポートにお金をかける必要がない」という意志に基づく結果なんだなという推論もなりたちますね。利用してるユーザーとしては迷惑な話ですけど‥。

もう一つ「お金はあるがサポートにはお金をかけない」という。これはオンラインゲームでもよくある話で、「サポートの評判がよくないのに、オフラインイベントとかよそでバンバン金を使っている」様なサービスがあてはまります。

そもそも、オンラインゲームのオフラインイベントなんか、それが実施される地方に住んでるほんの一握りのユーザーしか参加できないものだし、収益性はほぼゼロ。広告なんて費用対効果を考えたら大きくマイナスになるもの。非常にナンセンスなものなんです。

じゃあ、なんでやるのかっていうと、大抵そのサービスの「プロジェクトリーダーが出たがり屋さんだから」という理由です。自分の部下の立てた企画や人員計画には明確な根拠を求めるくせに、自分の立てた企画に対しては激甘というわけです。

結局、ユーザーからいただいたお金が、サポートの向上を通じてユーザーに還元されることなく、一部の人間の自己満足のために使われてしまう場合が「お金はあるがサポートにお金はかけない」の典型的なケースです。

ただ、リンデンラボ社が『セカンドライフ』の開発以外で、なんか無駄金を使っているような様子もないので、素直に「サポートよりも開発にお金をかけたいから」ってところでしょうか。

いずれにしても、このままのサポート体制では『セカンドライフ』の未来は明るくないと正直思います。リンデンラボ社は別にそれでもいいのかもしれないけれど、既に巻き込まれてしまった人々はそうじゃ済まされないですよね。

そうならないために、我々ユーザーができることって結構あると思います。それはこうやって自己満日記を書くわけでもなく、2chとか裏で文句を垂れることでもありません。「サポート人員が増えますように」って声を1人でも多くリンデンラボ社に届けることだと思います。

あとGoogleに「早く『セカンドライフ』買収してください」って言うとか。