てすかとりぽか

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『グラン・トリノ』 魂のステージ

グラン・トリノ

2008年のアメリカ映画。クリント・イーストウッド監督・主演。

予告編を観た時からどんな内容か想像ができて、本当にそのとおりだったらへこむなぁと思って、実はあんまり観たくなかったんですけど。シリアスなストレスドラマはニガテなんです。でも、「超泣けた!」とか「超感動した!!」とか、あまりに世間の評判がいい作品なのでついついレンタルして観てしまいました。

ひょんなことから出会ったおじいさんと若者の交流がテーマで、その若者をいじめる外敵に立ち向かうという設定から、普通なら『ベストキッド』的な痛快アクションものを思い浮かべるところですが、世の中そんなにうまくいくわけねーだろ的な空気が最初から漂っている今作。そして、おじいさんの大事にしてる車が題名。

そりゃあもう、オチは想像がつくなぁというか、それ以外ないわなぁと思ってたわけですけど。

いやもう寸分違わず思ってたとおりのオチでした。カット割まで想像していたとおりでした。別にストーリーが予想できるとかそういう面をどうこういうつもりはないんですけど。結果的にやっぱりへこむお話でした。正直、今作を観て感動したとか言う人って、素晴らしく大人な人か、もしくは通ぶってるだけなんじゃと思いました。

自分みたいに性根が腐ってる人間が見た場合、あのオチを「良かった」と素直に受け取ることはできかねます。おそらく、あの少年は今後も"奴ら"の影におびえて暮らす一生を送ることには変わりないとか、"奴ら"にフルボッコにされた家族の心の傷は、"あの程度のこと"で癒えることはないと考えてしまうのです。

そもそも、映画なんだから、フィクションなんだからそんなこと考えるだけ無駄じゃね?ってことだとは思いますが。最初からフィクションだと思ってみるなら作品にリアリティなんか必要ないし、それこそ『ベストキッド』の方がスカッでする話だしおもしれーよ。とか、思ってしまった自分はもう色々だめなんだと思います。

このままでは、ちゃんとしたいい映画を素直な気持ちで楽しむのは無理なんだと思います。『ターミネーター』とか『タイタニック』みたいな映画ばっかり観てちゃだめなんだと思います。もっと『仏陀降臨』とか観て、魂のステージを上げなきゃいけないんだと思います。べつにいいや、めんどくせー。