『ハンニバル・ライジング』
トマス・ハリス著。食人紳士ハンニバル・レクターの若い頃の話。
もうすぐ劇場公開もされますが、その小説のほうの上下巻を読了。読了プ。
正直、自分の中のレクター博士の若い頃のイメージって完全に「夜神月」か「ルルーシュ」みたいな、「天才だけど駄目な子」だったんですが。実際のところ「天才だけどドジっ子」でした。
計算高い割に、ドジを踏んで殺されそうになったりするあたりは、あんまり往年のレクター博士からは想像できないところですが(『ハンニバル』とかのレクターは殺されそうになるのすら計算だしね。)それはそれで腐女子のみなさんに人気が出そうです。
そして、何より今作の目玉は「誤った日本描写満載」なところです。この著者が描く異国情緒に満ちた世界観は、ハンニバル・レクターシリーズの特徴でもあったわけですが、やっぱり地元の人が見ると変なんですわ。
レクターが紫式部や小野小町や与謝野晶子(なぜ与謝野!?)の和歌を詠んだりするあたりは、幻想的なんだか笑えるんだかよくわからない世界に引き込まれます。でも、こういうの海外の日本ヲタの人から観れば「Japanese cool!」とか「MIYABI!」にあたるんでしょうね。
とりあえず、劇場版公開が楽しみです。
『ベルリン忠臣蔵』と同じベクトルで。