『台湾』 2日目午後
『光華商場』『K-MALL』と逡巡し、お目当てのパチモノに巡り合えず絶望。台北駅まで戻ってきました。
雨があがり、はじめて見る台北の青空。何かが変わる予兆。
『台北地下街』は、台北駅の北側を東西に走る地下ショッピングモール。駅の近くこそ食べ物屋さんや洋服店が軒を並べるものの、西に進むに従って徐々にその混沌さを増すと聞いてやってきました。
ひたすら西進。膨大な数のゲーム・玩具・トレーディングカードのお店が目に入るものの、売っているものはありきたり。そんな中、一際異彩を放つディスプレイのお店が。
キタコレ。コレですよ。我々が求めていたのは正にこんなんです。
高度な技術で精巧に似せられたありきたりのパチモノではなく、そもそも似せる意志すら感じられないもの。否、むしろウチがオリジナルと言わんばかりの自信に溢れた品々が店中にぎっしり。
トミーリー・ジョーンズをちっさくしたような店主は、明らかに久々の来客に困惑しているようでしたが、その外人どものワクテカした目つきを察してか、あるオブジェクトを指差して何かを囁きました。どうも、この店一番の自信作のようです。
よくデパートの屋上にある、コインで動く子供用の乗り物のようですけど?
おいぃ!!「ネオジオ」って書いてあんぞ!!
しかも、『メタルスラッグ』かよ!!乗り物関係ねーだろ!!
てか、ふつーにプレイできますこれ。いや、コイン入れた瞬間から「筐体も動き出す」ので、全然ふつーじゃねえや。要するに手製の大型体感ゲーム筐体なんですね。ぐっらぐら揺れてます。
そして、ゲームは「時限性で筐体が止まるまで」繰り返しプレイできます。てゆか10分程度でメタスラはクリアできねーよ。プレイ動画も撮ってきたけど、Youtubeにアップしたいぐらいのカオスっぷりです。
さらに地下街を西進すると、ゲーセンを発見。これは日本で大人気の『太鼓の達人』ですね。
ちっげーよ!!テレビに太鼓くっつけてんじゃん!!めっさ手作りやん!!
『ザ・ハウス・オブ・ザ・デッド』もテレビに銃つけただけじゃん!!
『互動式虚偽運動学習機』?
テレビに『Wii』と『Wiiスポーツ』くっつけて、コインで遊べるよーにしただけじゃん!!昔駄菓子屋とかにあったよこんなん。スーファミだったけど。
『RF』。これはゲームの中身からして日本でも見かけないですね。曲も全部中国語の曲です。筐体は『ビートマニア』と『ポップンミュージック』を合わせたようなナリですが。
何故か、足元にペダルがあります‥。このペダルも音楽に合わせて踏まねばなりません。これは何をシミュレートするゲームですか?音楽シミュレーションゲームシミュレータですかコノヤロー。
極めつけはこの『太鼓の達人』が入っている大型筐体。
太鼓のあるべき部分が、パンチマシーンのアレです。
何ですか。俺パンチマシーンで100とか普通に出しますよ。
『全自動身長体重計』。ほんとに全自動でした。いきなり身長測る板が猛スピードで落ちてきて頭「ゴン!」ってなりました。ハゲるかと思った。マジハゲるかと思ったよ。
憔悴しながら辿りついた地下街の西の果て。そこにあったのは『Fatimaid -台北女僕喫茶-』。メ、メイド喫茶!?
女僕という言の葉の響きに心くすぐられていると、店の中からその女僕さんが登場。中国語で問いかけられるも、わからない旨を告げると、とても流暢で丁寧な英語で「今日は予約でイパーイだからカエレ」とのこと。じゃあ、写真はいすか?と聞きますと、ひどく恥らった表情を見せた上で「ノー」とのこと。
バンコクのメイド喫茶でも全く同じリアクションを受けたのを思い出したけど、アジアの国々の女僕さんは基本的に撮影はNGみたいです。というか、女僕のみなさんは現地では有名大学などに通うエリート女学生の方がされていることが多いんだそうですね。英語や日本語が堪能なのも頷けます。
香港では、メイド喫茶なんか行かなくても、町中でフィリピン人の女僕さんをたくさん見かけましたが。否、彼女らは本職の女僕さんだから根本的に違うかも。
なので、西門にあるという別の女僕喫茶に行ってみました。こんな通りの奥に、台北最大の萌えスポットと呼ばれる、その名も『Moe Moe Center』があります。この店名つけた人に祝福を。
このお店は店内撮影禁止なので写真はないですが、一階はフツーの服やさんで、その中を通って二階に上がると漫画専門店があり、日本のコミックスは勿論、同人誌なんかも取り揃えてあります。
さらに、三階はコスプレのお店。メイド服からアニメ服まで揃っているのは、もう日本のコスプレ屋さんと変わりません。
そして、四階は『Moe Point Cofee』ことメイド喫茶。ここの女僕の方でも一部の方は少し日本語が話してくれます。カタコトでがんばりながら話すその姿は、カタコト萌えの方には堪らないかと。でも、思うにメイドって基本的に「猛禽((C)江古田ちゃん)」じゃないと勤まらないですよね。
この店で晩ごはん。チキンソテーとターメリックライス。台湾まで来てなんでこういうもの食べてるんだろう俺ら‥。でも、ふつーに美味しかったですよ。
このお店の面白いシステムとして(日本の女僕喫茶を知らないので、ふつーによくあるサービスかもしれないけど。)メイドさんと交換日記をすることができます。とはいっても、よくゲーセンにあるコミュニケーションノートみたいなものです。とりあえず中国語はまともに書けないし、それ以前にもう来ることもないと思うので「厭な萌え画」を描き残して来ました。ボールペンで絵描いたのは久々だったなあ。
ちなみに、このお店のパンフによると、このお店主催で、日本のコミックマーケットに全日参加するツアーもあるそうです。4泊5日で約10万円。すごいなあ、コミケの国際化っぷりは‥。日本国内では汚物扱いなのにな。
お次は西門にあるオタクビルこと『萬年商業大楼』に行ってみました。
ここはもう、狭い屋内いっぱいに古いものから新しいものまで、ゲームから玩具に至るまでごっちゃになっていて、まさに『中野ブロードウェイ』の様相。
ガレージキットや改造プラモも非常に(通常の意味で)ハイレベルです。もはや原型が何なのかよくわからないほどに。
自作の2m巨大オラザクまで。でも桜カラーは新しすぎますよ。
台湾は朝が遅い分、夜は長い。まだまだ今日は終わりません。MRTで『士林観光夜市』にやってきました。ここは台湾最大の夜市で、ローカルな屋台が多いことで有名です。
食べ物だけでなく、アイテム類もローテクな感じで素敵です。青猫とかヤヴァイです。
でも、この夜市ですら、表向きは「いかにも観光客向け」、「日本の縁日の屋台」的な健全な臭いしかしません。もっとローカルな市場が見たい。そう思っていると、どうもガイドブックに載っているエリアのさらに奥にも、薄暗い裏路地的市場があることに気づきました。もちろんどんどこ進んでみます。
こちらは、先ほどの明るい活気のある市場と違って、両手足の無いパフォーマーの方々がアスファルトに「ガトリング土下座」を繰り返して日銭を稼いでいる『クーロンズゲート』の様な場所なので、ちょっと人道的見地と自己防衛本能からシャッターは押せず。今思えば、動画で撮影して「五寸釘土下座」を作ればよかった。
でも、ここにありました。ニセファミコンやらトンデモゲームソフト。
普通にバンコクに比べて値段高かったし、もはや完全に中国語しか通じないエリアのため値切り交渉も出来なかったし、何よりこんなん買ったら違法なので購入はしませんでしたが。本当にしませんでしたヨ。
そして、売ってる食べ物もさらにローカライズされ。一緒に行ったクミンさんが蛇を喰いたいというので喰わす。てゆか、これ思いっきり毒蛇じゃないすか。
毒蛇スープとその血と毒と肝汁のセット。ちょっとだけ食べさせてもらうと、スープは漢方臭いけど、飲めない味でもない。血と毒は完全にお酒の味。肝汁はお茶っぽい味でイケます。
蛇の効能のせいか、血の巡りが猛烈に好くなり、お腹がすいたので『大統一牛俳』という屋台で「丁骨牛俳(Tボーンステーキ)」を食べました。これも日本では食べられない食材ですし。タレが甘すぎだけど、肉は意外と柔らかく美味しかったです。
そんなこんなで、終電間際まで夜市を遊び倒して帰りました。なんだかんだで、午後からはいい意味で予想を裏切ってくれて好かったです。
ホテルに帰った後、ケーブルテレビの映画枠で『ペットセメタリー』がやってたので夜中3時過ぎまで鑑賞。小学生の時に見て『ミザリー』とともにトラウマになったS・キング原作の映画です。黒キングの作品中では最高に面白いと思います。インディアンの墓の話で『サウスパーク』のバターズを思い出した。そういや元ネタここだったよなあ。