てすかとりぽか

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『機動戦士ガンダム F91』 不適切表現考

引き続き、『機動戦士ガンダムUC』熱に浮されて過去ガンダム作品視聴。

機動戦士ガンダム F91

劇場版DVDを視聴。UCとの関連性は「世界をさっぱりさせんと。」とか「家族の問題だから。」とか、テキトーな理由で戦争が起きているという点。マジレスすると、可変モビルスーツ「ロト(戦車みたいなやつ)」に酷似した「ガンダンクR-44」が出てくること。『グレートメカニック DX12』最新号にも、その関連性について触れられてます。

で、この『F91』は、数あるガンダム作品の中でも情報の密度が突出して高いので有名です。

それは冨野監督の作品全てにおいて言えることなんですが、その中でも本作は特に。そのせいか、「ぶっちゃけ意味がわからない」という評価をされてることも多いです。今回観て気づいたけど、1シーンの画面上に、同時に2つも3つの物語が走ってることがありますし。そんなことやってる作品は他に知りません。

その例がわかりやすいのが、「アーサーなんだぜ?」で有名なあのシーンの前のパート。

ガンダンクが被弾しアーサーとロイが吹っ飛ばされた後。画面上の表現と台詞で、同時並行で複数の状況が説明されます。1.アーサーは死んだけどほっとこう。いやほっとけない。2.ロイ館長がいない。3.シェルターには鍵がかかっていて、ロイ館長が封鎖しているらしい。4.赤ん坊が耳をひっぱってうざい。

こんなの一度に理解できるかぁっ!!

いやでも、御大はこの状況を正確に理解させたいのではなく、「非常に混乱しているという状況を表現したい」だけなんだと思います。でも、こういう複数の情報が同時提供されるような状況がずっと続くので、かなり能動的に観ないと話がわからなくなるのも確かです。なにげなく受動的に観てると、すぐに何が何だかわからなくなるし。

なので、今回は「わかりづらい」と評判のアンナマリーさんとザビーネさんの関係に注目して観てみました。

アンナマリーさんの裏切りの理由については、画面をちゃんと見て、台詞も一言一句聞き逃さないようにしないとわからない。しかも、アンナマリーがその理由を口にするよりだいぶ前のシーンにおけるザビーネさんの「ロナ家に取り入る」挙動を注視してないと、アンナマリーの一方的な思い込みとしか見れなくなるし。

何より、ザビーネさんは、それほどロナ家に取り入ろうとか思ってないようにも見えるんですよね。
セシリーのおじいちゃんから「ベルガ・ギロスもう一台買ってやるから」程度に買収されてるだけにも見えます。

機動戦士ガンダム00 スペシャルエディションIII リターン・ザ・ワールド

DVDで視聴。UCとの関連性は「最新のガンダム作品」というだけ。ただ、『UC』や『F91』を観てからだと。『00』がいかに平易な言葉の羅列だけで語られているかがよくわかります。それは悪いことではないし、もっとライトな層に売るために必要な施策だとは思いますが、個人的にはちっとも面白く感じないのは確かです。

まぁ、モビルスーツがカッコいいから話はどーでもいいんですけどね。

そもそも『00』の後半は、前半広げた大風呂敷をしまうためだけの物語。立てたフラグを順当に、何の意外性もなくただひたすら順当に回収するだけの、玩具のプロモーションビデオなんですよね。自分はそのつもりで観てますので文句はありませんし、劇場版にも期待しています。プラモとゲームのための宣伝映画として。

でも、最近のガンダムスペシャルエディションといえば「不適切シーンの追加」がお約束なんですけど。

『SEED』の件は言うに及ばず、『00』のIかIIでも「男同士が素っ裸で乳繰り合うシーン」(乳繰り合っていたというのはさすがに言い過ぎかも)がわざわざ追加されていましたし。今作はテレビ版であった「ロックオンと女が上半身だけ服を着て同衾」というシーンを新作カット&新曲BGMつきでより不適切な感じにすると思ってました。

実際は、貧乏姫の朗読シーンの削除という、「テレビ版で不適切だったシーンの修正」でしたけど。

さすがに、ラストバトルの一番盛り上がってるシーンにあの空気女の歌と朗読を挟むというのはないと、制作陣も反省したみたいですね。おかげで、最後の戦闘も大幅に新作カットが追加されて、それだけでもスペシャルエディションを観た価値はあったかなと思います。でも、当然あると思ってた劇場版予告はなかったけどな。